藤井王将 JT杯準決勝で永瀬九段を下す 谷川17世名人「道はまだまだ続く」と太鼓判

[ 2023年10月21日 18:48 ]

JT杯準決勝で永瀬拓矢九段(左)に勝利した藤井聡太王将
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 史上初めて全8冠を独占した藤井聡太王将(21)=名人、竜王、王位、叡王、王座、棋王、棋聖含む=が21日、大阪市のAsueアリーナ(大阪市中央体育館)で、永瀬拓矢九段(31)とのJT杯準決勝に臨み、84手で勝利した。永瀬とは11日に3勝1敗で決着し、8冠目を奪った第71期王座戦5番勝負以来10日ぶりの対戦。対戦成績は藤井の15勝6敗2千日手とした。

 54手目、飛車斬りへ踏み込み、銀との交換から攻めを加速させた後手藤井が永瀬を押し切った。「かなりの駒損になるのでうまくいっているのか際どいと思った。ゆっくりしていると先手に陣形をよくされる。分からなかったが行ってみようと思った」との決断が奏功した。

 持ち時間10分で使い切ると1手30秒未満。秒読み突入後1分単位の考慮時間が5回用意される。

 この対局規定は8冠はもちろん4つの一般棋戦中最も短く、藤井にとっても昨年度が初優勝だった。いかに27年ぶりの全冠制覇の達成者とはいえ、持ち時間が短ければ読み損ないが生じるのが人間だ。

 11月3日のもう一つの準決勝、渡辺明九段(39)と糸谷哲郎八段(35)の勝者との決勝(19日、東京ビッグサイト)へ勝ち進んだ。一昨年の準優勝、昨年の優勝に続く3年連続の決勝進出をひとまず決め、「昨年の決勝戦(斎藤慎太郎八段戦)はいいペースで指せた。その時の感触を思い出していい将棋を指したい」と意気込みを語った。

 17、18日の竜王戦第2局、そしてこの日と全8冠独占後2連勝(未放映のテレビ対局は除く)。懸念される、燃え尽き症候群とは無縁なのだろうか。「肩書き(8冠)は全て持っているけれど、藤井さんは将棋の真理を追究したいということですから、その道はまだまだ続く」。解説で登壇した谷川浩司17世名人(61)はその進撃が当面止まらないと予想した。

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