直木賞作家・原尞さん死去 76歳 1989年「私が殺した少女」で受賞 私立探偵・沢崎シリーズ

[ 2023年5月10日 11:39 ]

 直木賞作家の原尞(はら・りょう、本名 原孝=はら・たかし)さんが、今月4日夜、福岡県内の病院で死去した。享年76。早川書房が10日に公式サイトで伝えた。

 原さんは1946年佐賀県鳥栖市生まれ。九州大学文学部美学美術史科卒業。70年代はおもにフリージャズのピアニストとして活躍し、1988年に私立探偵・沢崎が初登場するハードボイルド長篇「そして夜は甦る」で作家デビュー。1989年の第2作「私が殺した少女」で第102回直木賞を受賞した。

 その後長篇第3作「さらば長き眠り」(1995年)、第4作「愚か者死すべし」(2004年)と一貫して沢崎シリーズを書き続け、2018年に14年ぶりに発表した長篇第5作「それまでの明日」が遺作となった。

 短篇集に「天使たちの探偵」(1990年)、エッセイ集に「ミステリオーソ」「ハードボイルド」(ともに2005年)がある。早川書房は「心よりご冥福をお祈り申し上げます」と追悼した。

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