【スペシャルトーク】藤井王将「工夫する気持ちは大事に」 “藤井流”創作へ意欲 史上初8冠独占にも言及

[ 2023年2月11日 18:30 ]

<スポニチ75周年記念配信>スポニチの生配信で「○」の札を上げる藤井王将(撮影・木村 揚輔) 
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 藤井聡太王将(20)=竜王、王位、叡王、棋聖含む5冠=が11日、ユーチューブ配信された本紙創刊75周年記念スペシャルトークイベントの第1弾に東京本社で出演し、自身の名前を冠した新戦法の創作へ意欲を語った。

 「全く新しい指し方は難しいと思うが、一局一局工夫する気持ちは大事にしたい」

 振り飛車の戦法に藤井猛九段(52)の「藤井システム」があり、横歩取りには青野照市九段(70)の「青野流」がある。AIを駆使して網羅的に研究が進む現代将棋。自らの頭脳で独創性を発揮し、新戦法を確立する難しさは熟知するが、その意欲は持ち続けると杉本昌隆八段門下の妹弟子・中澤沙耶女流二段(26)を聞き手に語った。

 史上初8冠独占にも触れた。「現時点ですぐにそれを目指せる状況ではない。実力が必要で、そこを積み上げたい」と語った上で、昨年7月で20歳になり「二十代のこれから数年間は大事。実力を高められるように意識してやれたら」。叡王戦が17年度にタイトルへ昇格するまでの全7冠時代、独占した棋士に96年度の羽生善治九段(52)がいる。第72期ALSOK杯王将戦(スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社主催)7番勝負で対戦中で現在2勝2敗。王将を守って5冠を維持すれば、第1局をすでに先勝した棋王戦、挑戦者争いの首位を競う名人戦で今春に最大7冠の可能性がある。

 さらに夏開催の棋聖戦、王位戦を守れば5番勝負が秋に予定される王座戦で全8冠独占が視野に入る。

 杉本は王将を獲得し5冠になった昨春、本紙の取材に8冠独占のメドを「3年以内」と予測。「もし達成するなら3年以内。5年以上かかれば確率は下がります」とした。24年度中となれば残り2年余り。「師匠はそういうことを言うキャラではない。知って驚いた」と藤井は苦笑いしたが、出場したタイトル戦11戦無敗の勢いを考えればカウントダウンに入ったと言えそうだ。

 番組出演に備えて東京本社に到着後、藤井は控え室に隣接する輪転機が発する機械音に反応した。

 本紙を印刷する東日印刷を志願して見学し、さらに別フロアの発送場へも足を運んで担当者から説明を受けた。「(工程)全体の流れを見ることができて良かった」。米半導体大手AMDの日本法人と広告契約し、研究用パソコンを自作する理系は放送開始直前まで熱心に見入った。

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