8キロ減量の松坂桃李「自分史上、最も難役でした」 13日公開「流浪の月」で広瀬すずとW主演

[ 2022年5月10日 05:30 ]

役作りのため、8キロ減量した松坂桃李(撮影・郡司 修)
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 俳優の松坂桃李(33)が、広瀬すず(23)とダブル主演する映画「流浪の月」(監督李相日)が13日に公開されるのを前に、スポニチ本紙の取材に応じた。撮影現場で寝泊まりし、主人公と生活スタイルを似せるなど役作りを徹底。8キロの減量にも挑み、作品の大きなテーマである「レッテル貼り」にも実際に悩まされた。「自分史上最も難役でした」と明かした。(飯尾 史彦)

 女児誘拐事件の加害者(松坂)と被害者(広瀬)の、15年後の再会を描く物語。世間からはそれぞれ「ロリコンの誘拐犯」「かわいそうな少女」などとレッテルを貼られてしまうが、2人は周囲が理解できない特別なつながりを持っている。

 「作中のセリフでも出てきますが人は見たいようにしか見ない。例えば、逮捕された人は悪い人という見方をすればその人を理解しやすい。でも実際は犯罪をしていないのかもしれない。レッテルがあった方が自己完結しやすいんだと思う」

 “レッテル貼り”には自身も昨春、悩まされた。「激やせのレッテル」だ。原作の誘拐犯のイメージに寄せようと、昨年2月から昨夏の撮影に向けて減量を開始。すると同3、4月には「やせすぎ」「病気か」とネット上で騒がれた。2020年12月に女優の戸田恵梨香(33)と結婚したばかりだったこともあって「プライベートで何かあった?」とも噂された。

 「あの時は映画の情報解禁(昨年7月)前だったので理由を言えず、黙るしかなかった。テレビに映るたびに“何があった?”と騒がれて、いろんなことが噂されましたね」

 撮影時よりもだいぶ体重は戻った印象。遠い目をすることが多い主人公とは対照的に、表情も柔和で、屈託なくよく笑う。

 減量以外にも役作りを徹底した。不健康な肌感にしようと、日焼けを避け、外出時には日焼け止めクリームを塗りたくった。李監督には「撮影で使うアパートで寝泊まりしてみたら?」と提案され、2週間ほど主人公になりきって暮らした。「ずっと“本番、よーいスタート!”がかかっている状態。監督には役をつかむに当たって最大限のぜいたくな時間を頂いた」と感謝している。

 俳優人生の全てを懸けて挑んだ。アイドルオタクや丸刈りの青年将校、エリート刑事など幅広い役柄を演じ分け、19年には日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞した実力派。今作は20年の本屋大賞を受賞した凪良ゆうさんの同名小説が原作。「演じられるか正直不安でした。実際に難易度が高くて、自分史上最も難役でした」と振り返った。

 充実期に立ちはだかった試練。これを全力で乗り越え、松坂はさらにステップアップしていく。

 ≪妻・戸田恵梨香と仕事の話「あんまりしません」≫日焼けをせずに減量している期間はコロナ下ということもあって、ほとんど自宅にこもっていたという。その自宅では役者仲間でもある戸田と仕事の話をほとんどしないのが“流儀”。「うちは仕事の意見交換はあんまりしません。激やせしても“大丈夫?”とか、何も言いません。お互い歴史があるので、それぞれの仕事を自分の考えでやっていくのが正しいと思っています」と明かした。

 ▽流浪の月 雨の公園でびしょ濡れになっている10歳の少女に傘を差しかけた19歳の大学生は、家に帰りたがらない少女の意をくみ部屋に入れる。少女はそのまま2カ月を過ごすが、ほどなく大学生は略取・誘拐容疑で逮捕される。それから15年後。「傷物にされた被害女児」とその「加害者」という烙印(らくいん)を背負ったまま偶然再会するも、それぞれ傍らには恋人がいた。横浜流星(25)、多部未華子(33)らが共演。

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