藤井竜王 22年20歳の目標は“二刀流”「チェスプロブレムの解答大会に出る」

[ 2021年12月27日 05:30 ]

トークショーで来年の「やってみたいこと」を掲げる藤井竜王(撮影・島崎忠彦)
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 藤井聡太竜王(19)=王位、叡王、棋聖含む4冠=が26日、東京・明治神宮で、東西棋士が集結する非公式戦「SUNTORY将棋オールスター東西対抗戦2021」に出場し、佐藤秀司八段(54)に93手で勝利した。トークショーでは来年挑戦したいことに「チェスプロブレム(詰め将棋のチェス版)の解答大会に出る」を挙げ、知的好奇心を表現。5冠目を目指し来年1月9、10日からは静岡県掛川市でスポニチ主催・第71期ALSOK杯王将戦7番勝負第1局に臨む。

 公式戦では未対局のベテランが、温めた戦法をぶつけてきた。藤井にとって経験値の低い雁木(がんぎ)。10月のNHK杯では深浦康市九段(49)に敗れていた。藤井が逆転勝利で今年最後の将棋を飾り、「心強いチームメートに支えられた」と感謝した。

 大会は今年新設された東西5人ずつの団体戦で、持ち時間がない一手30秒の早指し。永瀬拓矢王座(29)や羽生善治九段(51)らの東軍に、対戦成績5戦全勝と西軍が圧倒した。

 トークイベントでは20歳を迎える来年の抱負を問われ、「チェスプロブレムの解答大会に出る」と応じた。対局などでの移動中に取り組む。本職の詰将棋解答選手権では小学6年から5連覇した。「(チェスには)自信がついたタイミングで大会に出てみたい」と笑顔。別のトークイベントでは「お酒には気をつけたい」とも語っており、2つ目の20歳の抱負になった。

 第2局の豊島将之九段(31)―横山泰明七段(41)では羽生と大盤解説も担当した。解説されることはあってもすることは初めて。その後、エキシビションのリレー対局では今年王位戦、叡王戦、竜王戦で戦った豊島九段とタッグを組み、永瀬、羽生組と対局した。西軍の先手で戦型は相掛かりになり、79手で勝利。「豊島九段と手を組んで対局することができ、貴重な経験ができてよい思い出になった」と振り返った。

 王位、棋聖に今年竜王、叡王を追加し、年明けからは渡辺明王将(37)=名人、棋王の3冠=に挑戦する。公式戦では目にできない笑顔が多く見られ、序列1位の宿命である連戦のさなか、最高の気分転換になった。

 ▽「SUNTORY将棋オールスター東西対抗戦2021」 サントリー食品インターナショナルと日本将棋連盟の共催で新たに始まった非公式戦。同連盟の所属棋士が、東京本部と関西本部に分かれて各5人ずつで団体戦形式で行う。出場者は東西ともに、ファン投票1、2位の2人と、予選を勝ち抜いた3人。決勝は5対局のうち3勝を先に挙げた方が勝ち。優勝賞金は勝利チームに対して500万円。

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