GLAY 32年ぶり聖地凱旋 思い出の地救うため――恩返しの“唱タイム” 配信ライブ第7弾

[ 2021年11月23日 05:30 ]

函館あうん堂で収録された「LIVE at HOME」の様子
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 ロックバンドGLAYのTERU(50)がプロデュースする配信ライブ「LIVE at HOME」の第7弾が22日に配信された。TAKURO(50)とともに訪れた場所は、メンバーの故郷・函館にある「多目的スペース函館あうん堂」。デビュー前の高校時代に腕を磨いたライブハウスに戻ってきたのには、理由があった。

 GLAYのアリーナツアー中のTERUとTAKUROは、20、21日に札幌市の北海きたえーるでライブがあった機会を使い、函館あうん堂での配信ライブに臨んだ。TERUはマイクを握ると、言った。

 「高校時代にショーをさせていただいたあうん堂がコロナ禍で大変な思いをしている。ファンの子から“クラウドファンディングをやっているので見てください”と。自分が力になれることがあればと思って参加したことがきっかけです」

 ピアノに村山☆潤を招いたアコースティックライブ。高校生だった2人が弾き、歌った「レクイエム」「Rose Color」をアレンジしてセットリストに入れた。高校卒業ライブもしたこの場所での演奏は32年ぶり。原点を懐かしみながらの約1時間だった。

 函館あうん堂は83年開業。公共ホールがなかった函館で、絵画の展示や舞台、映画上映と多目的に使われた。とりわけ需要が増えていったのはバンドのライブ。ライブハウスのイメージが定着し、函館の音楽シーンに欠かせない場所になった。

 笹井完一(ひろいち)さん(52)は高校時代のバンド活動が縁で、85年にアルバイトでここに入った。「各バンド、今日はうちは一番お客を取ってやるとギラギラしていた。GLAYはいつも人が入るね、という感じだった」。出演していたバンドのうち年に1つ、2つは夢を追って上京したといい、GLAYもそう。94年にメジャーデビューし、階段を駆け上がる姿に驚いた。

 00年に就職でここを離れた笹井さんが戻ってきたのは18年8月。引退を決めた前オーナーに運営会社仲介を頼まれ、自らも「思い入れがある」と会社を辞めて代表に就いた。ライブハウスと飲食の2本柱で軌道に乗りかけていたところに、コロナ禍が襲いかかった。

 昨年2月、ライブの受け付けをやめた。「落ち着くまで…と思って早めに閉めた。こんなに長くなるとは思ってもみなかった」。8月に投げ銭形式の配信のみでライブを再開したが、収益にはならない。各地のライブハウスが資金繰りのためにクラウドファンディングを始める中、運営会社とは「最後の最後まで我慢する」と決めたが、それも限界が訪れた。

 今年8月20日。維持費捻出とライブ配信機器整備のためのクラウドファンディングを開始した。「“始めました、お願いします”とツイッターで告知してすぐ、TERU君のリツイートがあった。それからスマホの通知が止まらなくなった」。目標額300万円にわずか3日で到達した。

 それだけでも奇跡的だが、さらにサプライズがあった。設定した支援の最高額は6万6000円で、返礼は「ホール貸し切り5時間&配信ライブパック」。これにTERUが応募し、「LIVE at HOME」の次回開催を予告したのだ。「まさかね…と思いながら“ご検討をお願いします”とDMを入れたら“本当にできます”と」。笹井さんは感激し、そして思った。

 「僕もいい年をしてあうん堂に戻った。10代、20代の時間を過ごした場所をなくしたくないし、次に引き継いでいきたい。GLAYも同じ気持ちなんじゃないかな」
 
 セットリストの最後は「祝祭」。TERUは「苦しんでいる方々のそばで寄り添ってくれるような曲なので、ぜひ聴いてください」と歌い始めた。コロナの暗雲は、いまだ先行きが見通せない。TAKUROは「あうん堂は僕の大切な場所。皆さんも大事な場所があれば、気持ちを届けてあげてほしい」と語った。(和田 裕司)

 ≪545万円超集まった≫クラウドファンディングは9月20日までの1カ月間行われ、目標額の182%の545万1976円を集めた。返礼品は店内で提供するオリジナルコーヒーの豆やドリップバッグが中心。TERUからはGLAYと函館あうん堂のコラボステッカーの提供申し出があり、返礼品に同梱(どうこん)することとなった。今回のライブの見逃し配信は12月14日午後6時までとなっている。

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