カラテカ入江 汗流して知った働く尊さ「自分を見つめ直す意味でも…」 初の清掃実用書出版

[ 2021年11月1日 12:46 ]

初めての清掃の実用本を出版したカラテカ入江
Photo By スポニチ

 お笑いコンビ「カラテカ」の入江慎也(44)が実用書「汚部屋がピカピカになると世界が変わる! 業者の(秘)家そうじ」をきょう1日に出版した。2019年6月に、特殊詐欺グループとの間で闇営業を行ったとして所属の吉本興業を退社。現在は芸能活動を離れて清掃業に従事しており、その経験を元にして初めて手がけた書籍だ。

 「僕が吉本興業を契約解除になって初めて出す本です。清掃は9割は自分で出来る。油汚れにはアルカリ洗剤が良いとか、ハウツーものです。掃除はこんな僕でも出来るのでやってみてください」。

 2019年8月から清掃業のアルバイトを始め、1年後に清掃会社「ピカピカ」を立ち上げた。同書は仕事中に気づいたことをメモに取り、写真を撮影して7カ月ほどかけてまとめた。使い捨て歯ブラシと不要になった軍手を使った「イリエツイン」という自身で発案したグッズも掲載。これはサッシのホコリや水垢を取るのに便利という。

 キッチン、バスルーム、リビング編に分かれており、イラストは闇営業騒動で活動を休止後、芸能界を引退して現在は経営コンサルタントとして活動する元ザブングルの松尾陽介氏が担当している。

 「イラストは松尾に描いてもらいました。闇営業騒動で迷惑をかけてしまったので、特にありがたいです。清掃業か、飲食業をやるか迷ったんですけど、清掃業はなくてはならない仕事なんでやることに決めました。最初は便器の中に手を入れるのも抵抗があったし、作業着でコンビニに行くのも嫌だった。でも、人に感謝される仕事であることが分かって2カ月ほどでまったく気にならなくなりましたね」

 「ピカピカ」をコロナ禍の中で立ち上げたこともあり、昨年と比べて仕事への影響も「3割減くらい」。一番困ったのは闇営業直後から顔バレしないようにマスクをしていたことで、3年ほど毎日マスクを付けっぱなしという。

 「考えたら、僕ずっとマスクしてますね。清掃のアルバイトを始めたのが真夏。暑くて暑くて仕方がなかったことを覚えてます。闇営業で吉本興業を辞めて、人に見つかるのも嫌だったのでマスクをずっとしてました。先輩や後輩を巻き込んだことが辛かった。何度も“自分だけなら良かったのに”と思いましたね。これは一生、僕が背負っていくことですね」

 芸人時代は直営業(闇営業)などで簡単に稼げるという安易な気持ちで仕事をしていたが、清掃業に携わったことで汗を流して働く尊さを知った。それがリスタート人生の糧となっている。

 「直営業とかでネタをパッとやって簡単にお金をもらったりしてました。今の仕事をしてみて1万円を稼ぐことが、ここまで大変なことだと分かった。自分を見つめ直す意味でも良かったです。いまは正社員が2人います。育てることの大変さも知りました」。

 まずは「ピカピカ」のフランチャイズ展開など事業拡大が目標。その上で、何年かかるかは分からないが、カラテカとして相方である矢部太郎と舞台に立つことが夢という。

 「矢部とは本当にまたいつか一緒にできたら嬉しいです。これはセカンドキャリアのスタート、芸能界を離れてやった本です。本当に誰でもできるので読んで家で使ってください。できれば旦那さんに読んでほしいですね。ちょっと掃除するだけで奥さん喜びますよ」。

続きを表示

2021年11月1日のニュース