「TOKYO MER」“音羽先生”賀来賢人のツンデレ話題 官僚&医師役も番組P称賛「抑えた中に情熱」

[ 2021年8月22日 06:00 ]

日曜劇場「TOKYO MER~走る緊急救命室~」で官僚&医師の音羽役を好演し、ツンデレぶりが話題の賀来賢人(C)TBS
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 前回第7話(8月15日)から新章に突入し、番組最高視聴率15・0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区、世帯)をマークしたTBS日曜劇場「TOKYO MER~走る緊急救命室~」(日曜後9・00)。音羽先生役を好演している俳優・賀来賢人(32)の“ツンデレぶり”が話題となっている。救命救急医にして厚生労働省の官僚という異色の難役をクールに、時に熱く好演。大映テレビの渡辺良介プロデューサーに賀来の魅力について聞いた。

 俳優の鈴木亮平(38)が同局の看板枠・日曜劇場初主演を務め、「僕のヤバイ妻」「グランメゾン東京」などの黒岩勉氏がオリジナル脚本を手掛ける医療ドラマ。コロナ下の医療従事者に勇気を与えるべく、都知事の号令により新設された救命救急のプロフェッショナルによる架空のチーム「TOKYO MER」の奮闘を描く。

 「MER」は「モバイル・エマージェンシー・ルーム」の略称。チームは最新の医療機器とオペ室を搭載した“動く手術室”専用の大型車両「ERカー」を駆使。事故や災害の現場に急行し、いち早く負傷者に救命処置を施していく。

 賀来が演じるのは、若手エリート官僚と医師の顔を持つ医系技官・音羽尚(おとわ・なお)役。厚生労働大臣・白金眞理子(渡辺真起子)に命じられ、「TOKYO MER」に正式認可を与えないために派遣された、いわばスパイ。勇猛果敢なチーフドクター・喜多見幸太(鈴木)とは対極にある冷静な野心家。貧しく満足な治療を受けられなかったため、母が若くして亡くなり、医療の不平等を是正したいと医系技官になった。

 当初は喜多見に反発していたが、その「待っているだけじゃ、助けられない命がある」という揺るがぬポリシーに打たれたのか、徐々に“氷解”。喜多見と最高のバディになりつつある。

 現場に出れば、音羽の熱さも喜多見に引けを取らない。第2話(7月11日)、爆発事故が発生した夏祭り会場。 鉄骨落下事故の際のミスによりバックアップに回った比奈(中条あやみ)は喜多見から「トリアージ」(傷病者の状態に応じ、治療の優先順位を決定)を行うよう指示されると、立ちすくむ。音羽は「言い訳はやめろ!おまえは医者だろ。だったら全力で命を救え」とゲキを飛ばした。

 第4話(7月25日)は心臓移植手術。移植用の心臓を運搬中だった女性医師がトンネルの天井板崩落事故に巻き込まれる。音羽はオペを中止した千晶(仲里依紗)を説得。「もう一度、人工心肺を回してください。心臓は私が確認しました。移植に問題はありません。みんなが必死につないできたんです。今度はアンタがつなぐ番だろ!」――。オペ成功後の「MER」チームの部屋。音羽は眠る喜多見に“エア”グータッチした。

 第5話(8月1日)、音羽は妊婦、喜多見の妹・涼香(佐藤栞里)、大物政治家・天沼夕源(桂文珍)とエレベーターに閉じ込められる。火災により、エレベーター内は酸欠状態となり、妊婦の容態が急変。官僚としての未来か、医師としての使命か。究極の選択を迫られた音羽は、妊婦の救助を優先した。

 渡辺プロデューサーによると、医系技官という設定は脚本・黒岩氏のアイデア。「真っすぐな情熱を持つ喜多見というキャラクターのバディとして、音羽を対照的なキャラクターにするために考えられたのだと思います。官僚として霞ヶ関で生きてきた強さとニヒルさの中に、医師として正義感を持ったとてもユニークなキャラクターを生み出していただいたと思っています。この音羽役を賀来賢人さんにオファーしたのは、コメディーからシリアスな役まで幅広く巧みに演じ分けられる演技力が魅力だったからです。この難しい役を賀来さんがどう演じてくれるのかという期待と興味もありました」と起用理由も説明した。

 「音羽尚という役は、官僚としてMERを潰すミッションを背負っていながら、医師として現場で命を救うことに全力を尽くすという二面性のある実に難しい役です。黒岩さんの脚本を読んでいても音羽の本心が見えないと思う時があるほどで、賀来さんとは何度も撮影現場で役について話し合いをしました。私なりの答えとしては、官僚なのか医師なのかと割り切ることはできない、と。音羽にとっては、官僚として成し遂げたい大志も、医師としての使命感も、どっちも大切なことで選ぶことはできないのだ、と。その矛盾を抱えた役だからこそ、賀来さんは演じていて苦しいと思われることがあるんじゃないでしょうか。でも、人は誰しもそんな矛盾を抱えているのもので、それがクールに見えても人間くさい音羽の魅力の一つではないかと思います」

 賀来は番組公式サイトのインタビューで「(官僚と医師の)狭間で戦っている役なんです。自分が選んだ道なんですけど、演じていて苦しいなと思うこともあります」と語っている。

 それでも、音羽の二面性を見事に体現。制作発表時、鈴木は「ツンデレなんですよ。ドラマの中で音羽先生が一番かわいいと思います。『本当はいいヤツなんじゃないの』という一面に僕はたまらなく惹かれます」、菜々緒(32)は「賀来賢人くんのファンがめっちゃ増えると思います」と絶賛。

 渡辺プロデューサーは「官僚として大志を成し遂げるためにMERを潰さなければいけないというミッションと、医師としての純然たる使命感や正義感のジレンマを抱えていることが、ツンデレと言われる魅力になっているのかなと思います。賀来さんが音羽役を演じていて凄いと思うのは、抑えた演技の中に情熱を感じさせること。クールなのに熱さを感じるというのは、とても難しいことだと思いますので」と称賛。「ドラマ後半戦も、喜多見と音羽のバディには注目していただきたいです。音羽がどう変化していくのか。2人のバディはどう完結するのか、私も楽しみで仕方ありません。今後、あのクールな音羽が感情を爆発させる瞬間がありますので、楽しみにしていてください」とアピールした。

 新章は、喜多見が中南米における医療活動をやめてから「MER」のチーフドクターに抜擢される間の“空白の1年”が焦点に。22日放送の第8話は、その秘密がついに明らかになる。予告動画には「喜多見チーフはテロ組織と関係があるのではありませんか?そんな人に我々の命を預けるわけにはいきません」という音羽の台詞も。渡辺プロデューサーは「その秘密をめぐって、MERチームの絆が揺らぐ危機が訪れていきます。稲森いずみさん演じる月島しずかという公安刑事は喜多見を追い詰めるキーパーソンで、男性らしい言葉遣いのユニークなキャラクター。そして、城田優さん演じるテロリストのエリオット・椿は喜多見とどんな因縁があるのか?サスペンスの要素が加わった新章も楽しみにしてください」と呼び掛けた。

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