立川志らく ラジオで本領発揮 危ない話も「私はソフト談志だから大丈夫」

[ 2021年4月21日 10:00 ]

ニッポン放送のスタジオで撮影に応じる立川志らく
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 【牧 元一の孤人焦点】これで落語家・立川志らく(57)の本来の面白さが世に広く伝わるだろう。ニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」(月~金曜、後3・30)。ヨットでの太平洋横断に挑んでいるキャスター・辛坊治郎氏(65)の助っ人として今月から志らくが月曜パーソナリティーを務め、テレビにはない良い味を出している。

 東京・有楽町のニッポン放送のスタジオで本人に話を聞いた。

 「あれだけの情報量と分析力を持っている辛坊さんに対抗しようとして、今から勉強しても付け焼き刃になってしまう。開き直って自分の番組だと思って、くだらないことを言ってます」

 例えば、19日の放送で取り上げた日米首脳会談の話題。志らくがゲストの専門家に真っ先に投げかけた質問は「なぜ昼食がハンバーガーだったのか?」だった。専門家の答えは「リラックスのメッセージ」。足を組んでの会話もリラックスのメッセージだと説明されると、志らくはすかさず「ずいぶん前に沢尻エリカさんとトークショーをした時、沢尻さんが足を組んでたから、何だろうな?と思ったけれど、リラックスしてたんだ!?」とツッコミを入れた。

 辛坊氏とは違う軽妙な展開。それでいてハンバーガーを題材に日米関係の本質にも迫っていた。志らくならではのアプローチだ。

 「私はそんなに世の中のことに真剣に取り組んでないんです。『噺家は、世情のあらで飯を食い』という言葉があるように、あらで食っているだけ。そう言うと逃げているように思われるかもしれないけれど、まあそんなに期待してくれるなよ、ということです」

 司会を務めていたTBS「グッとラック!」が3月に終了。テレビ司会者としては、あらで飯を食うような、おかしさが画面から出ていなかった。本人も、以前から落語を聴いてくれている人に「テレビでもそこそこ面白いが、落語の時の千分の一」と指摘されたことがあったという。つまり、全く本領を発揮できていなかったのだ。

 「テレビは人が多い。コメンテーターも多い。本当は私とコメンテーター1人、あとは専門家を呼ぶくらいでやろうという話もあったんだけれど、結局、できませんでした。ラジオはやりやすい。ちょっと素材がポンポンポンとあれば、好き勝手に話させてもらえます」

 融和性の高いラジオとの関係はこれまで濃くなかった。過去にはNHKラジオ第1「今夜も大入り!渋谷・極楽亭」(2006年~11年)などに出演したことがあるが、パーソナリティーを務めるのはIBC岩手放送「立川志らくの歌の花道」(01年~13年)以来となる。

 「ラジオは昔から、やりたい思いがありました。ラジオの方がお客さんが濃い。ただ、テレビの方が知名度を上げるには早い。テレビで薄く広めてから、ラジオで濃く広めるのは、順番としていいんじゃないですか。テレビで私を知った人が、アンチも含めて、1回聴いてみるかということになるでしょう」

 師匠・立川談志さん譲りの毒舌家。ラジオは格好の舞台である半面、テレビより自由度が高いだけに、つい危ない話をしてしまうことはないだろうか。

 「それは大丈夫。コメンテーターの中には空気を読めずに言いたいことを言う人もいるけれど、私は結構、バランスを見ています。私はソフト談志ですから。談志だったら、自分がそう思ったら、ラジオ局がひっくり返るようなことでも言うでしょうが、私はそこらへんは穏やかです。口をすべらすことはないんじゃないですかね」

 今回の出演はあくまでも助っ人。辛坊氏が太平洋横断の旅を終えて帰国すれば、パーソナリティーを返上することになる。

 「TBS、文化放送も無縁じゃない。ここで2、3カ月やって、聴いていた上の人が『じゃあ、やらせてみよう』と思ってくれればありがたい」

 ニッポン放送に限らず、各局から依頼が来れば受ける構え。これから落語会だけではなくラジオでも脂ののった話芸を楽しめる機会が増えそうだ。

 ◆牧 元一(まき・もとかず) 編集局デジタル編集部専門委員。芸能取材歴30年以上。現在は主にテレビやラジオを担当。

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