日テレ社長がアイヌ差別表現を謝罪 「理解が足りていなかった」「誠に恥ずべき制作過程」

[ 2021年3月22日 16:04 ]

日本テレビ社屋
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 日本テレビの社長定例会見が22日、東京・汐留の同局で行われた。小杉善信社長は、同局系の情報番組「スッキリ」(月~金曜前8・00)でアイヌ民族に対する不適切な表現があったことについて「制作にあたった担当者にアイヌ民族のみなさまが差別を受けてきたことへの理解が足りておらず、放送した言葉が直接的な差別表現であるとの認識が欠如しておりました。おわびいたします」と謝罪した。

 小杉社長は、同番組の社員プロデューサーが考査部門に相談しようと思ったが、失念して放送に至ったとし「誠に恥ずべき制作過程」と述べた。「理解が足りていなかったことに尽きます。制作の過程で、いくら制作から放送までの時間が短かったとはいえ、そこで気づくことができた、そのへんの理解がまったく足りなかった。認識が強ければ、まず、これを採用しないし、収録をして放送する前には、考査部門に聞くと思います」とした。

 「公共性と多様性、そして、基本的人権を尊重すること求められているマスメディアにおきまして、こうしたことがあったことの責任を大変大きく受け止めております。原因をしっかり検証して、北海道アイヌ協会のみなさまをはじめとする、アイヌ民族のみなさまや、関係各方面と向き合って、再発防止策をまとめる所存です」と述べた。

 問題となったのは12日の同番組で放送された、動画配信サービス「Hulu(フールー)」の番組を紹介するコーナー。ドキュメンタリー「Future is MINE―アイヌ、私の声―」を紹介後、お笑い芸人の脳みそ夫(41)が披露した謎かけに批判の声が上がり、日テレも謝罪。政府は、加藤勝信官房長官が15日の記者会見で「担当部署を通じて、当該放送局に対して厳重な抗議を申し入れた」とし「表現はアイヌの人々を傷つける極めて不適切なもので、誠に遺憾だ」と述べていた。

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2021年3月22日のニュース