元NHK・山本浩アナ “マラドーナ連呼”の真相語る「実況で余分なことを言うと先輩に怒られた」

[ 2020年11月27日 05:30 ]

元NHKアナウンサーの山本浩氏
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 マラドーナ氏が「神の手」「5人抜き」で2ゴールを決めた1986年W杯メキシコ大会準々決勝アルゼンチン―イングランド戦(6月22日)の中継で実況を担当した元NHKアナウンサーの山本浩氏(67=法大スポーツ健康学部教授)も残念がった。「マラドーナ、マラドーナ、マラドーナ…来たぁ~マラドーナァ!」の実況は海を越え、テレビの前の日本人を熱狂させた。

 日本は出場国ではなく、実況席はアステカスタジアムの端の方。神の手は「モニターにスローが出たが全く分からなかった。英国BBCのプロデューサーが手だと各局ブースを回って言ってきた」と振り返る。解説の故岡野俊一郎氏が「手かもしれない」と気づいたようだが、ほとんどの人は分からなかった。それほど鮮やかな早業だった。

 5人抜きは「DFで鳴らしている選手が触りもしないのに倒される。後にJリーガーに聞くと、目(のフェイント)で倒されたと言っていた」と振り返る。山本氏は当時33歳。自身をNHKの実況アナとしては駆け出しと感じていた。「実況で余分なことを言うと先輩に怒られた。“フェイントが…”などと言葉を連ねるより、プレーに集中してほしいと考えると、名前を言うぐらいしかできなかった」といい、それが“マラドーナ連呼”の真相だという。

 故人をしのび「善なる部分と非善なる部分が重なっていた。メッシにはない濃い人間味があった」と懐かしんだ。

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2020年11月27日のニュース