「釣りキチ三平」漫画家・矢口高雄さん 未発表の遺作、秋田のまんが美術館に

[ 2020年11月26日 05:30 ]

矢口さんの未発表の遺作「雨沼の鱗剥ぎ」の1ページ(横手市増田まんが美術館)
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 「釣りキチ三平」で知られる漫画家の矢口高雄(やぐち・たかお、本名高橋高雄=たかはし・たかお)さんが20日午後5時46分、膵臓(すいぞう)がんのため都内の病院で死去した。81歳。秋田県出身。

 矢口さんには出版されていない最後の作品があった。現在、名誉館長を務めた秋田県横手市増田まんが美術館に展示。タイトルは「雨沼の鱗剥ぎ(うぬまのうろこはぎ)」。2010年に釣りキチ三平シリーズの事実上の最終話となった「能登のタコすかし」を発表してから同シリーズの新作として描き進めていた。鉛筆で約50ページまで下描き、色を入れて完成させた原稿も10ページほど含まれる。同美術館担当者は「遺作にあたります」と話している。

 物語の舞台は茨城県の牛久沼をイメージした「雨沼」。竜巻被害に見舞われたコイの養殖業者のため、三平と兄貴分の鮎川魚紳が一肌脱ぐ。逃げたコイを沼から釣り上げると、右腹のうろこが欠けたコイが交ざっていることに気付く。その謎を追うと、うろこを食べる魚「鱗剥ぎ」にたどり着くという物語だ。

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