羽生九段、38・9度の発熱で入院…PCR検査は陰性 竜王戦第4局は異例の延期

[ 2020年11月12日 05:30 ]

将棋の羽生善治九段
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 日本将棋連盟は11日、羽生善治九段(50)が発熱で入院したことを発表。新型コロナウイルスの感染を調べるPCR検査、インフルエンザの検査を受けそれぞれ陰性だった。通算タイトル100期を懸けて挑戦中の第33期竜王戦7番勝負の第4局は当初12、13日に予定されていたが、26、27日に延期された。対局者の体調不良によるタイトル戦の延期は異例だ。

 連盟によると、羽生は7、8日に京都市で行われた竜王戦7番勝負第3局を終え、都内の自宅に帰った9日夜に38・9度の発熱があった。10、11日も熱が下がりきらなかったことから入院した。病名は不明という。

 羽生は1996年、7冠独占を決めた第45期王将戦(スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社主催)第4局で、体調を崩して38度の熱に見舞われたことがある。この時は解熱剤を打って対局に臨み、歴史的偉業を成し遂げた。「それ以降は体調管理している」と元女優で妻理恵さん(50)がツイッターで明かしている通り、体調面には細心の注意を払ってきた。

 羽生はタイトル戦延期に関して「私自身の体調管理の不行き届きにより、多大なご迷惑をお掛けしてしまい、深くおわび申し上げます」と謝罪した上で「しっかりと療養をして一刻も早く万全の態勢で将棋を指せるように最善を尽くします」と誓った。理恵さんもツイッターに「ご迷惑をお掛けすることとなり、大変申し訳ございません」とのコメントを出した。

 17日には第70期王将戦挑戦者決定リーグで木村一基九段(47)と対局予定。現時点で変更はないが、当日の朝までに熱が下がらずに羽生から申告があれば、連盟の規定に従い延期される可能性がある。

 《1956年の王将戦でも》対局者の体調不良がタイトル戦の日程に影響した事例は、王将戦では1956年の第5期までさかのぼる。挑戦者の升田幸三・八段(当時)がタイトル奪取したが、その後予定されていた6、7局が病気のため打ち切られた。当時はタイトル確定後も7局まで行う制度だった。

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2020年11月12日のニュース