西川きよし 文化功労者選出 漫才界から初受賞で涙「コツコツと頑張ってきて良かった」

[ 2020年10月27日 11:30 ]

 「2020年度文化功労者」に選出された西川きよし。涙ながらに喜びを語る
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 タレントの西川きよし(74)が2020年度の文化功労者に選出され、会見を開いた。政府が27日に発表。きよしは「小さなことからコツコツと頑張ってきて良かったです」と涙ながらに語った。

 お笑い界では、09年に落語家の3代目桂米朝さん(15年死去)が受賞したが、漫才界からは史上初の受賞。「大衆芸能の中の演芸。その中の漫才が評価して頂けた」と喜んだ。

 吉本新喜劇を経て、66年に周囲の反対を押し切り、横山やすしさん(96年に51歳で死去)と漫才コンビ「横山やすし・西川きよし」を結成した。その後、全国区の人気者となり、テレビ・ラジオに引っ張りダコ。だが、相方・やすしさんは度重なる不祥事もあり89年4月に吉本興業を契約解除となり、事実上のコンビ解消となった。

 それでも漫才界に誘ってくれたやすしさんには今も感謝し、朝晩、自宅の仏壇に向かって、やすしさんと会話するのが日課という。来年で没後25年となるが、「ボクの中ではまだ、やすしさんが生存してます」と思いを明かした。

 きよしは、コンビ解消後、「大阪、関西の皆さんにお返しをしたかった」と参院議員として政界に進出。3期18年の議員生活で年金・福祉問題などに尽力した。「お笑いと福祉もトータルして(賞に)選んで頂いたと思います」と話した 

 家族は“よしもとのロイヤルファミリー”と呼ばれる芸能一家。妻でタレントのヘレン(74)には「こんなボクに人生をかけ、尽くしてくれてる」と感謝。受賞の一報を大阪の自宅で聞き、家族そろって号泣し、喜び合ったことも告白した。

 あと2年余りで芸歴60年を迎える。毎日、自宅でストレッチや運動を欠かさず、体力づくりに励む。「お客さんから、笑いより身体の方を心配してもらうようになったら辞めようかな。でも、やすしさんと『舞台の上で死にたい』と話してましたから。80歳ぐらいまではやりたい」と意欲。家族と、亡き相方への思いを胸に、これからもレジェンド漫才師は舞台に立ち続ける。

 文化功労者は、1951年制定の文化功労者年金法に基づいて、大学教授、作家らで構成される「文化審議会文化功労者選考分科会」が選考した候補者から、文部科学大臣が選出。昨年度は、今年4月に82歳で亡くなった映画監督・大林宣彦氏、歌舞伎の5代目坂東玉三郎(70)、ノーベル化学賞の吉野彰氏(72)ら21人が選ばれた。

 ◆西川 きよし(にしかわ・きよし)本名=西川潔。1946年(昭21)7月2日、高知市生まれ、大阪市育ちの74歳。大阪市立三稜中卒業後、自動車修理工を経て63年に研究生として吉本新喜劇に入団。66年に横山やすしとコンビ「横山やすし・西川きよし」を結成。86年に参議院議員に当選。現在はタレントとして活動する。長男は吉本新喜劇の西川忠志、長女はタレントの西川かの子。

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2020年10月27日のニュース