藤井2冠 リーグ3敗で王将戦挑戦者争い脱落 3冠挑戦は先送りも「残留を目指して最後まで最善を」

[ 2020年10月26日 20:26 ]

<王将戦挑戦者決定リーグ戦>感想戦で対局を振り返る藤井2冠(手前は永瀬王座)(撮影・吉田 剛)
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 将棋の第70期王将戦(スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社主催)7番勝負(来年1月開幕予定)で渡辺明王将(36)の対戦相手を決める挑戦者決定リーグは26日、東京都渋谷区の将棋会館で2局を行い、永瀬拓矢王座(28)は藤井聡太2冠(18)を164手で下して3戦3勝とした。

 藤井2冠はリーグ開幕戦で羽生善治九段(50)に敗れた後、豊島将之竜王(30)にも黒星を喫しており、これで3戦3敗。挑戦権獲得は不可能となり、3冠挑戦は先送りとなった。

 先手の藤井2冠は開始の礼からちょうど30秒後に初手7六歩と角道を開けた。永瀬王座は3四歩と応え、12手目で四間飛車に。最近は居飛車が多かった「軍曹」が2017年8月以来となる指し手で、天才高校生に仕掛けた。

 AI分析でも永瀬王座優位の時間が長いまま進み、午後8時20分すぎに終局。藤井2冠は頭を下げた。

 藤井2冠にとって永瀬王座は、3年前から棋力を高め合う練習将棋仲間。6月には棋聖戦、王位戦のいずれも挑戦者決定戦で対戦し、ともに藤井2冠が勝っていた。分の良いはずの相手からも白星をあげられず、昨年に続いて王将戦挑戦権には届かなかった。残る3局は来年度の挑戦者決定リーグへの残留を目指す戦いとなる。

 ▼永瀬王座 終始難しくてわからなかった。(千日手模様は)打開するのが自然かなと思ったが、以降苦しいと思っていた。(藤井戦初勝利は)力不足を補っていかなければと思っていた。リーグ3連勝と前進して良かったと思うが、どこまでいっても大変。引き続き頑張りたい。

 ▼藤井2冠 (永瀬の四間飛車は)事前に予想していなかった。今期は残念だが、残留を目指して全力で最後まで最善を尽くしたい。 

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