「麒麟がくる」放送休止前の期間平均は好調15・5%“大河復権”昨年「いだてん」から大幅5・7P増

[ 2020年6月8日 15:30 ]

NHK大河ドラマ「麒麟がくる」の主演を務める長谷川博己
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 俳優の長谷川博己(43)が主演を務めるNHK大河ドラマ「麒麟がくる」(日曜後8・00)の第21話が7日に放送され、平均世帯視聴率は16・3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)だったことが8日、分かった。新型コロナウイルスの影響のため、収録は4月1日からストップ。この回をもって放送は一時休止に入った。初回(1月19日)から第21話の期間平均は15・5%。昨年「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」の初回~第21話の期間平均9・8%と比べると、大幅5・7ポイント増。前半戦は“大河復権”と呼べる結果を残した。放送再開後も好調が続けば、2016年「真田丸」の全話平均16・6%以来となる大河4年ぶりの15%超えが現実味を帯びてくる。

 大河ドラマ59作目。第29作「太平記」(1991年)を手掛けた名手・池端俊策氏(74)のオリジナル脚本で、智将・明智光秀を大河初の主役に据え、その謎めいた半生にスポットを照らす。物語は1540年代、まだ多くの英傑たちが「英傑以前」だった時代から始まり、それぞれの誕生を丹念に描く。

 池端氏の筆が圧巻。司馬遼太郎の代表作「国盗り物語」などは美濃の守護代・斎藤道三1代の成り上がりを描くが、現在通説となった親子2代による国盗りを採用。母親に愛されなかった織田信長の哀しみも前面に押し出した。道三役の本木雅弘(54)信長役の染谷将太(27)が新しいキャラクター像を見事に造形。主役の長谷川も前半は“受けの芝居”に徹し、ドラマを牽引した。

 視聴率も、「真田丸」(19・9%)以来4年ぶりの大河初回19%超となる19・1%と好発進。第2話=17・9%、第3話=16・1%、第4話=13・5%、第5話=13・2%、第6話=13・8%、第7話=15・0%、第8話=13・7%、第9話=15・0%、第10話=16・5%、第11話=14・3%、第12話=14・6%、第13話=15・7%、第14話=15・4%、第15話=14・9%、第16話=16・2%、第17話=14・9%、第18話=15・1%、第19話=15・7%、第20話=15・3%、第21話=16・3%と好調に推移。15%以上は21話のうち、13回を数えた。

 放送再開後も好調が続けば、全話平均は17年「おんな城主 直虎」の12・8%、18年「西郷どん」の12・7%、19年「いだてん」の8・2%を上回ることが確実。16年「真田丸」の16・6%を超える可能性もある。

 本放送の2時間前にオンエアされ“早麒麟”の愛称で親しまれているBSプレミアム(日曜後6・00)は第11話(3月29日)が5・5%。番組最高を更新し、好調をキープしていたものの、ビデオリサーチの調査方法が変更になった4月以降、公表されていない。

 第21話は「決戦!桶狭間」。今川方から松平元康(風間俊介)を離反させる工作は失敗に終わった。織田信長(染谷)は父・信秀(高橋克典)の教えを思い出し、今川が本当に噂されるような2万もの大軍であることを疑い、前線へ出陣。局地戦を展開し、今川義元(片岡愛之助)自ら率いる本隊から徐々に兵を引き離す作戦を決行する。一方、元康は三河勢を駒のように扱う今川方に次第に嫌気がさし始め、織田軍の迎撃に加わることを拒否。そして暴風雨の中、数の減った今川本隊は桶狭間山での立ち往生を余儀なくされる。そこに織田の軍勢が襲い掛かる…という展開だった。

 俳優の今井翼(38)が15年ぶりの大河ドラマ出演。義元を討ち取る信長の家臣・毛利新介を熱演。激しいアクションを披露し、視聴者を魅了した。

 来週6月14日からは「麒麟がくるまでお待ちください 戦国大河ドラマ名場面スペシャル」を放送。第1弾は大河ドラマ歴代最高視聴率をマークした1987年「独眼竜政宗」。当時27歳の主演・渡辺謙(60)が撮影の舞台裏を語る。

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2020年6月8日のニュース