朝ドラ「エール」から週5日放送 何が変わる?土曜はバナナマン日村が振り返り 朝ドラ受けは?作品面は?

[ 2020年3月29日 16:15 ]

30日にスタートする連続テレビ小説「エール」の主演・窪田正孝とヒロイン・二階堂ふみ(C)NHK
Photo By 提供写真

 俳優の窪田正孝(31)が主演を務めるNHK連続テレビ小説「エール」(月~土曜前8・00、土曜は1週間振り返り)は30日にスタートする。連続テレビ小説は月~土曜の週6日放送してきたが、制作に時間のかかる朝ドラ初の4K撮影や働き方改革のため、「エール」から土曜のオンエアをなくし、月~金曜の週5日放送に短縮。何が変わるのか?

 朝ドラ通算102作目。モデルは全国高等学校野球選手権大会の歌「栄冠は君に輝く」などで知られ、昭和の音楽史を代表する作曲家・古関裕而(こせき・ゆうじ)氏(1909~1989)と、妻で歌手としても活躍した金子(きんこ)氏。昭和という激動の時代を舞台に、人々の心に寄り添う曲の数々を生み出した作曲家・古山裕一(窪田)と妻・関内音(二階堂ふみ)の夫婦愛を描く。男性主演は2014年後期「マッサン」の玉山鉄二(39)以来、約6年ぶり。

 ◆土曜

 “穴”のあいた注目の土曜には「1週間の振り返り番組」を編成した。ナビゲーターには、お笑いコンビ「バナナマン」の日村勇紀(47)を起用。自称「朝ドラおじさん」の日村が大の朝ドラファンの視点から解説。平日放送を見た人や一部見逃した人、土曜に初見の人もフォローしていく。

 制作統括の土屋勝裕チーフプロデューサー(CP)は「『エール』は明治42年の主人公誕生から50年以上にわたる物語が描かれます。劇的な人生なので、エピソードがてんこ盛りの上に、魅力的な人物が次々登場するので、見逃してしまうと、お話に付いていけなくなってしまうかもしれません。土曜日に、日村さんのナビゲートで1週間のドラマを『おさらい』して、日村さんと一緒にドラマを楽しんでいただきたいと思います」と企画意図を説明している。

 言ってみれば、1週間分の“朝ドラ受け”。「あさイチ」(月~金曜前8・15)のMCを務める「博多華丸・大吉」とは一味違う、日村の色がどこまで出てくるか。また、反響のあったシーンの舞台裏、出演者のインタビューやオフショットなども期待されるが、第1週(4月4日)には予定されていない。

 土曜は朝ドラの直後に「チコちゃんに叱られる!」再放送をオンエア。高視聴率をマークしている。3月14日(土)は「スカーレット」が19・5%、「チコちゃんに叱られる!」が13・9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。前日3月13日(金)の「チコちゃんに叱られる!」本放送(金曜後7・57)は12・8%。土曜朝の再放送の方が高い。

 「エール」振り返りの動向にとっては、土曜朝の「おはよう日本→朝ドラ→チコちゃん」という“縦の流れ”が崩れる可能性もある。

 ◆朝ドラ受け

 「あさイチ」のMCを務め、朝ドラ受けも好評の「博多華丸・大吉」。これまで最終回は土曜で朝ドラ受けがなく、博多華丸(49)も「そこが朝ドラ受けの妙味かもしれません」と語っていたが、「エール」最終回は金曜。受けざるを得ない。9月、華丸は半年に及んだストーリーをどのようにまとめるのか。

 また「次週予告は見ない」という華丸だが、これは見ざるを得ない状況を回避。「エール」次週予告は金曜の最後にはなく、土曜ダイジェストの最後に付く。週5日放送により、朝ドラ受けも影響を受けるのか。

 ◆作品面

 1日減ることにより、展開がスピーディーになったり、詰め込む要素が多くなったりするのか。土屋CPは「週5日放送だからといって、特に制作方法に変わりはありません」とした。

 ただ、放送回数は減るものの、制作に時間のかかる4K撮影のため、撮影期間は従来の朝ドラ(約10カ月)より約1カ月半長くなる。「画面を止めれば、楽譜も全部読めるぐらい、きれいに見えてしまいます。なので、セットなどはきっちり作り込むことを、美術・技術スタッフと心掛けています」と明かした。

 連続テレビ小説は1961年(昭36)、月~金曜の1年間の帯番組(20分)としてスタート。翌62年(昭37)には、月~土曜午前8時15分開始に変更。この年から放送時間も15分間になった。

 75年(昭50)からは、1年間を前期と後期に分けた半年間の放送が基本に。2010年(平22)には、放送開始時間が午前8時に繰り上がり、現在のスタイルが確立。昨年前期「なつぞら」で通算100作目の節目を迎えた。

 今回の週5日放送により、視聴習慣にも変化があるのか、注目したい。

続きを表示

2020年3月29日のニュース