田代まさし容疑者が過去に出演 NHK「バリバラ」が薬物依存議論 社会に必要な意識は

[ 2019年12月12日 21:10 ]

元タレントの田代まさし容疑者
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 NHKは12日、Eテレのバラエティー「バリバラ」(木曜後8・00)で薬物依存をテーマに放送した。今年7月の同番組には覚醒剤取締法違反(使用)の疑いで逮捕された元タレントの田代まさし容疑者(63)が講師役で出演していた。

 田代容疑者は7月に講師役で出演。生徒役のアイドルから「逮捕されてもやめようとは思わなかった?」と聞かれると「毎回思う」としながらも、「薬の魔力が勝ってしまってまた使って罰せられる。刑務所に入れられても、ただ“悪のコネクション”が広がるだけだった」と明かし、薬物依存症の恐ろしさを力説していた。だが、11月に覚醒剤取締法違反の疑いで逮捕された。

 番組では田代容疑者の事件を取りあげ、薬物依存症の現実や回復への道のりの険しさについて議論した。リハビリ施設、日本ダルク代表の近藤恒夫氏は「逮捕はチャンス。捕まらないと…止まらない。それが薬物依存の悲しいところ。私は39年やめてますが、やりたいときはしょっちゅうありますよ」と冷静に語った。

 精神科医の松本俊彦氏は「意思が弱いというのは違います。意思で解決できる問題ではない。薬物依存症を治す特効薬はないです」と説明した。

 番組では長い時間がかかるのが依存症の治療であるとし、ダルクでのリハビリテーションの一つである1日3回のミーティングを紹介。薬物依存症の当事者たちが仲間と話すことで自分自身と向き合い、同じ苦しみを持つ仲間と理解しあうことで、薬物に頼らない日を1日、1日積み重ねていく。松本氏は「仲間と話すのはすごく治療的。心を孤立化させないことが大切」とコメントした。

 番組ご意見番の玉木幸則氏はNHKの対応について指摘。「バリバラがせっかく『マーシー先生』の番組をやってホームページにも内容載せていたのに逮捕されたから削除しちゃった。いやいや、これは病気なんですよ。繰り返す可能性がありますよ。だからみんなで見ていこうねって番組で確認したのに、それを隠すのは逆効果だなと思った。(薬物は)繰り返しやる可能性があるから、みんなで考えていこうねと伝えていくべきだった」と持論を述べた。

 松本氏は「田代さんが自分のことを話してくれたのはよかった。依存症という病気の難しさ、回復の可能性、依存症でも社会に出ていけることを示してくれた。またこちらに戻ってきたら、まだやり直せるということを皆さんに伝えてもらいたい」と呼び掛けた。

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2019年12月12日のニュース