トップクリエーターによるドラマ制作の新機軸、フジ系1月期「QUEEN」にみる一石を投じたアプローチ

[ 2019年4月25日 06:30 ]

ソケット代表取締役の櫻井雄一氏
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 天才トラブルシューター(スピンドクター)が女性の危機に立ち向かう姿を斬新な映像で描いた、今年1月期のフジテレビ系連続ドラマ「スキャンダル専門弁護士 QUEEN」。竹内結子(39)が主演を務め、芸能界やスポーツ界、政界など“闇”の部分を今日的な話題も含めながら描いたストーリーが高い評価を得た。同ドラマを手掛けたキーマン2人に制作の意図や思いを聞いた。

 日本のドラマ初となる世界的ファッショングループ「ケリング」のジュエリーブランド「ブシュロン」とのタイアップや、同グループのブランドによる衣装協力、さらにバカリズムによるキャラクター監修、主題歌がYUKI、オープニングテーマを新人のmilet(ミレイ)、SOIL&“PIMP”SESSIONSが音楽を担当するなど各界のトップクリエーターとブランドが集結して、ストーリーにさまざまな価値が加えられた。

 ドラマをプロデュースした制作会社・ソケット代表取締役の櫻井雄一氏は「ハイブランドを身につけた女性が“武装”しながら、スタイリッシュに面白いものを」と1年半がかりで企画を進めた。アイドルユニットの解散を描いた回やフィギュアスケート選手のドロドロした愛憎劇、主人公の竹内にまつわる清濁合わせた人物造形ほか、かなり踏み込んだストーリーに加え、Perfume、星野源らのMVを手掛けるなど日本を代表する映像クリエーターの関和亮氏が演出担当したことによる映像表現も注目を集めた。

 木曜夜10時という放送枠での視聴率という尺度では、一見厳しい数字が並んだが、ネット配信での反響は大きく、オリジナルドラマとしては同局史上最高視聴数を記録した。櫻井氏は「社会性に絡むことをよく見てもらうといろんな問題提起をしている。スタイリッシュな大人のドラマをSNSの時代に、炎上せずに全10話やらせてもらえたのはゴールデン枠のドラマのありように一石を投じることができたのではないか。再生回数については誇りに思っている」と大きな手応えがあったという。

 演出を担当した関氏と共同でクリエーターのマネジメントを手がける株式会社コエの石井毅代表は、今回の取り組みを「自由に決められて新しい枠組み、大枠を作れる強みがあった」と話し、既存の枠組みとは違った形で携われた。これまでやり方があって、その進め方に入っても埋もれてしまうことから、今後もこの形を重視してチャレンジしていきたいという。

 櫻井氏は「当たり前だったことに風穴を開けることはとてつもなく労力が要る。1人ずつに(新しい取り組みを)話すことは大丈夫だけど、いざ総意になると何となく反対勢力ができていたりする。それでもクリエーティブでかっこいいもの、面白いもので打破できたんじゃないか。今回のドラマは枠組みが面白いんだということ、垣根を越える、テレビとウェブ、音楽とテレビというようなことができた、踏み込めた」と明かした。

 大きな反響を呼んだ今作に続いての一手に注目が集まるが、両氏は映画製作に意欲を見せる。石井氏は「多角的にできるので、きちんとコエとソケットで来年あたり映画をできたらいい。グローバルに連動できるほかの枠組みをくっつけて立体的にできるようにしたい」、櫻井氏も「世の中の空気を少し変えるような切り口のものができるといいんじゃないか。単なる映画という形じゃなく新しいメディアの使い方を石井さん、関さん、バカリズムさんたちはじめ今回ご縁があった方とつくっていきたい」と新たな取り組みに目を向けている。

 さらに櫻井氏は「時代もメディアも“狭苦しく”なっていて、何かしら風穴を開けなくてはいけない。その手があったか、という時代が先に進む作品を目指していきたい。テレビ、映画という枠組みにとらわれずにブレークスルーすることは絶対やらなくてはいけないと強く思っている」といい、石井氏は「新しい枠組みを作れるところとご一緒したい。若い人の発掘もして、世界に出られるものをつくりながら育てていきたい」と締めくくった。

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