さまざまな“特別感”で高い満足度…年末年始に光った特番

[ 2019年1月31日 05:15 ]

 18年から19年にかけて放送された年末年始の特番は、さまざまな趣向がこらされた制作側の努力が感じられるものが多かったが、中でも視聴者に支持されたのが「より特別感のある」番組だった。

 テレビの視聴状況を独自に調査している「テレビ視聴しつ」(エイト社、東京)が行なった年末年始特番の満足度調査(対象450人、18年12月28日〜19年1月6日までのゴールデン・プライム帯番組)によると、満足度トップだったのは「超豪華!!最初で最後の大同窓会!8時だJ」(テレビ朝日、18年12月28日放送)で4・15(5段階評価)だった。

 引退を前にした滝沢秀明氏が出演していた20年前の人気番組を一夜限りで復活させたもので、視聴者の感想からは「懐かしかった。青春時代だったから」(37歳女性)、「青春の思い出が詰まっていました」(34歳女性)など当時10代だった視聴者はもちろん、「最高のメンバーだった」(19歳女性)、「普段見られない大集合で最高でした」(22歳女性)、など、滝沢氏だけでなく、嵐や関ジャニ∞、山下智久、生田斗真、風間俊介らが一堂に会するというこれまでにない豪華メンバーに「今ではなかなか揃わないメンバーが揃っていて良かった。でも最初で最後だからよかったんだと思う」(37歳女性)など、今回の“特別感”を大切にしたいという思いのファンもいるほど貴重な放送になった。

 2位は2日に放送された新春ドラマ特別編「下町ロケット」(TBS)で4・14。10月クールの連続ドラマが新年明けてすぐのお正月ドラマとして放送されるという異例の編成だった。「実質最終回のようなのでスッキリ感があった」(53歳女性)、「今回ですべて完結できて良かった」(54歳女性)など、“特別編”にありがちなダイジェスト版ではなく、事実上の最終回といえる内容だったことでより満足感が高まった。また「年末年始で続けて一気に観た。面白かった」(45歳女性)といった視聴者もおり、人気ドラマがすぐにお正月ドラマとなって放送するという試みは、未視聴だった人が年末年始の休暇中に“参戦”できるという利点もあるようで、今後のドラマ編成のヒントにもなりそうだ。

 3位は3日放送の「VS嵐2019新春豪華3時間SP」(フジテレビ)で4・01。ゲストチーム2組と対戦する三つ巴の戦いや、今回から加わった新ゲームのお披露目などお正月ならではの特別感がいくつかあった今回の放送だが、特に視聴者の目を引いたのは、豪華芸能人たちがトランプのババ抜きで最弱王を決める“BABA嵐”。男性視聴者の反響が大きく、「ババ抜きは地味に面白い」(42歳男性)、「BABA嵐最高」(21歳男性)など、嵐がMCの番組でありながら男性満足度(4・09)が女性満足度(4・05)を上回り、男性満足度では年末年始番組トップの高数値だった。BABA嵐は毎年2回ほど放送される特別編で、通常放送で見られるゲームアトラクションによる出演者たちのカッコよさだけでなく、シンプルなババ抜きによる心理戦がより男性視聴者を釘付けにするようだ。

 年末年始の特番は「おせち料理」のように豪華で盛りだくさんになるが、質がいまひとつ…というのがかつてはあった。見る目が厳しくなり、いい加減なつくりをするとすぐに叩かれる時代になった。来年は新しい年号で正月を迎える。時代の変わり目にさまざまな内容の特番が生み出されることを視聴者は待っている。

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2019年1月31日のニュース