渡辺棋王 5期ぶり王将復帰へ完全復活の実感、ダブル戴冠に意欲

[ 2019年1月5日 10:00 ]

第68期王将戦で挑戦者として5期ぶり復位を目指す渡辺棋王は、東京育ちのヤクルトファン。マスコットのつば九郎と応援用ミニ傘を手に笑顔
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 将棋のタイトル戦、第68期王将戦(スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社主催)7番勝負は13日、静岡県掛川市の掛川城二の丸茶室で第1局が開幕する。3連覇を目指す現保持者の久保利明王将(43)と5期ぶりの復位を狙う挑戦者の渡辺明棋王(34)が、平成最後の7番勝負を前に心境を語った。

 4年ぶりの舞台に帰ってきた渡辺は「2日制の7番勝負は長い時間をかけて、じっくり将棋が指せる。久しぶりに獲れた挑戦権を大事にしたい」と抱負。久保王将について「プロ棋界全体で振り飛車が苦戦する中で、生き残っているのはさすが。そこに対抗するだけの事前の研究は持っていかないと」と気を引き締めた。

 タイトル戦の中でも過酷とされる王将戦リーグで、自身が挑戦者になるイメージはなかったという。2冠獲得直後の豊島ら、出場7人全員がタイトル経験者。1勝2敗と苦しいスタートも、連勝して混戦に踏みとどまり「自力で2連勝すれば挑戦できる状況になり、現実味が出てきた」と振り返った。

 中学生でプロ入りした天才棋士は17年度、初めてといえる挫折を味わった。永世資格を持つ竜王位を羽生に明け渡し、順位戦A級から陥落。公式戦21勝27敗と18年目で初の負け越しだった。「自分はもともと王をかっちり囲う将棋。でも今は、王を囲いの外に置いて戦う真逆の形が流行している。自分の形でやるか、流行にある程度乗っていくのか迷いがあった」と話した。

 苦しみながらも自分の将棋にじっくり向き合った。「どうすれば自分の長所が生かせるか考える期間が長かった。年度が替わり、少しずつ見直しの成果が出てきた」。順位戦B級1組では開幕9連勝と独走しA級復帰が決定。「準備した作戦でリードを奪って勝つ、本来の将棋が指せるようになってきた。リーグ最後の2局はそういう実感があった」。完全復活へ確かな手応えをつかんだ。

 2月からは広瀬章人竜王(31)の挑戦を受ける棋王戦の防衛戦も同時進行となるが、すでに3度も経験済み。「2冠もあれば逆の目もある。このリーグ戦でまとまった星を取れたのを自信にしてやりたい」。ダブル戴冠に強い意欲を示した。

 ◆渡辺 明(わたなべ・あきら)1984年(昭59)4月23日生まれ、東京都葛飾区出身の34歳。所司(しょし)和晴七段門下。00年3月に四段昇段を決め、史上4人目の中学生棋士に。タイトルは竜王と棋王の永世資格を持つほか、王将2期など計20期は歴代5位の記録。趣味は競馬、フットサル。

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