キンコン西野にスポット MBSテレビ「OFLIFE」

[ 2018年12月15日 00:43 ]

 MBSテレビ「OFLIFE」(火曜深夜1・59)の18日深夜の放送は作家、絵本作家などでも活躍するお笑いコンビ「キングコング」の西野亮廣(38)にスポットを当てる。

 デビューからスーパールーキー的存在で頭角を現してきた西野。絵本作家など、肩書きにとらわれない才能を発揮し、話題を作ってきた。今秋、西野は3か月連続でジャンルの違う本を出版。10月に堀江貴文氏(46)との共著「バカと付き合うな」(徳間書店)。11月にはビジネス書「新世界」(KADOKAWA)。12月には絵本の最新作「ほんやのポンチョ」(幻冬舎)。いずれも大手の出版社ばかり。本の帯にライバル社の宣伝も入れた。なかでも「新世界」は「事前予約した方にはサイン入れます、と言ったら、8300冊、予約が来てしまった」。出版社の社員を動員しての大がかりな発送作業となった。西野は「紙の本は人の手が絡んでる。むちゃくちゃアナログ。そこに価値がある」という。

 書籍全般の売り上げは13年連続マイナス。出版不況と言われて久しい。この状況をなんとか出来ないのか?遡ること3カ月前、西野は3つの出版社に「出版同盟」という声明文を出し「小競り合いはやめて“本”に世間の目を向けましょう」と呼びかけた。「月刊KADOKAWA」編集部の大鬼一浩氏は「信頼の高い著者でないと成立しない話」という。芸人仲間で芥川賞作家の又吉直樹(38)は「行動力がとてつもない。普通なら居酒屋で話して終わるだけのことをやってみようとする。めっちゃリスクを背負ってるな、という戦い方をする。格好エエと思います」。

 「本を書くのも売るのも、どっちも本気」という西野が考えた数々の仕掛け。印税を使って「新世界」発売日の11月16日に毎日新聞に全面広告を出した。本の前書きを全文掲載するという異例の“読む”広告だ。その数日後、東京のモノレール「ゆりかもめ」車両をジャックし「出版不況を終わらせる」と書かれた3社合同の広告を掲載、話題を作った。本を通じて「お年寄りから子どもまで全世代を楽しませたい」というのが目標だ。そのためには何が必要か、KADOKAWAの編集者、取次のトーハンの担当者との飲み会を開き、普段関わることのない人たちと垣根を越えた話し合いの場を持ち、問題点も探った。

 相方の梶原雄太(38)とキングコングを結成したのは20歳前。「はねるのトびら」でブレイクしたが、先輩芸人が敷いてくれたレールを走るのではなく「芸能界の外へ出てみよう」と、25歳で絵を描き始めた。絵本「えんとつ町のプペル」は37万部を売り上げ、20年に映画公開される。そのストーリーを西野がすべて語るというイベントが、大阪のショッピングモールで開かれた。イベント後、参加した100人近くと飲み会を開催、意見を聞いた。

 都内にある自宅マンションは遊び心にあふれている。「家で作業することが多いので、楽しくしておきたい」という。山積みの絵本は、立ち上げた出版の予約サイトで申し込んでくれた人に、サインを書いて自ら発送。朝から1000冊を仕上げた。「本を自分で届けることをサボりたくない。責任を持ってやりたい」という西野。電子書籍が登場した今、本を届けることにこだわり、人が関わるアナログさを大切にしようとする西野の作家魂を追う。

 ナビゲーターは黒田博樹氏(43)、VTRナレーションは手塚理美(57)が務める。

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2018年12月14日のニュース