AKB中野郁海、手話で新境地 手話パフォーマンス甲子園で“大役”「伝わった時は本当にうれしい」

[ 2018年11月4日 11:00 ]

手話は顔の表情も重要なんですよと語る/中野郁海/ (撮影・西川祐介)
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 AKB48・チーム8の中野郁海(18)が新境地を開いた。先月、出身地の鳥取県で行われた「第5回全国高校生手話パフォーマンス甲子園」に参加。「演技司会」という大役を務め、出場した計20校の校名を全て手話で紹介し、好評を博した。「これからも手話のお仕事に関われるのなら、一生懸命やらせていただきたい」と意欲満々だ。

 ――約2000人の前で、計20校の校名を手話で紹介しましたが、どんな気持ちでしたか?

 「そういうお仕事を1人でするのが初めてだったので、緊張しました。前半と後半で10校ずつに分かれていたんですけど、前半は、話す時、ろれつが回らないほどでした」

 ――でも、披露した手話は好評でしたね。

 「終わった後、関係者やファンの方々に褒めていただいたので、達成感がありました。AKBの公演で初期の頃から自己紹介に手話を取り入れていたので、それが大きなお仕事につながったという、うれしさもありました」

 ――そもそも、手話を始めたきっかけは?

 「小学校の時、耳の不自由な同級生がいたんです。その子と幼稚園から一緒だった子たちは、当たり前のように手話をやっていたので、私も自然の流れで“おはよう”“何してるの?”“大丈夫?”とか覚えました」

 ――公演の自己紹介に手話を取り入れたのはなぜ?

 「私の出身地の鳥取県で、2013年に全国で初めて“手話言語条例”(手話の普及を推進する条例)が施行されました。翌年、私がAKBに入って、公演の自己紹介のことを母に相談したら“鳥取県には手話言語条例があるんだから、手話をやってみたら”と勧められたんです」

 ――手話は難しいでしょう?

 「表情が難しいです。手話は手の動きだけじゃなく、顔でも表現しなくちゃいけない。日常的に手話をやっている方々は、表情が豊かなので、分かりやすいんです。その方たちと比べると、私はまだまだだと思います」

 ――手話をやっていて良いと思うことは?

 「相手に伝わった時は本当にうれしいです」

 ――今後も手話の仕事をしたいですか?

 「私の手話はまだまだなので、もっとちゃんと勉強しなくちゃいけないという思いがあります。でも、また関わらせていただけるなら、一生懸命やらせていただきたいです」

 ――13歳の時にAKBに入ってから4年半たちましたが、振り返ってみて、いかがですか?

 「人間として成長できたと思います。早い時期から社会に出てお仕事をさせてもらって、同じ年の人たちが経験できないことを経験させてもらいました」

 ――つらい時もあったでしょう?

 「人前に立つのが怖くなった時期がありました。私がチーム8のセンターに立っていた時期があるんですけど、そのことに対していろんな意見があったんです。自分は本当にここに立っていていいのかと悩みました。でも、メンバーやスタッフ、ファンの皆さんの言葉や存在があったから、やはりステージに立つのは楽しいと思えるようになりました」

 ――AKBをやめずにここまで来られたのは?

 「メンバー愛ですかね。絶対に、それだと思います。やめたいと思ったことは何回もあったけれど、メンバーとご飯を食べたり、レッスンしたり、ふざけたりする時間が楽しい。やはり、みんなでステージに立っている時が一番楽しい。この瞬間を失いたくないと思います」

 ――グループ活動が好きなんですね?

 「私はチーム8が好きです。チーム8は先輩がいない中で、みんなで一致団結して、一から築いてきたので、なんか、我が子のように感じるんです。本当に、目の中に入れても痛くない」

 ――デビューした頃の取材では、将来的に女優になりたいと話していましたが、今は?

 「演技をしたいという気持ちは変わらずに強いです。卒業生の田野優花さんがAKBにいた頃から、いろんな舞台に出演されているのを見て、田野さんみたいになりたいと思って活動してきました」

 ――まだ当分先のことになるでしょうが、卒業後については?

 「演技で食べていくのが理想です」

 ≪28日から舞台、タップ特訓中≫28日に東京・池袋の東京芸術劇場シアターウエストで開幕するミュージカル「TAKEDA」でヒロインを務める。16年9月にチーム8のメンバー6人で上演した舞台「絢爛(けんらん)とか爛漫とか」以来の舞台。共演は俳優の長谷川純(33)、芋洗坂係長(50)らで「今度は外の人たちとの舞台なので、私が悪目立ちしないように頑張ります」と神妙な面持ち。このステージでタップダンスに初挑戦するが「タップは想像以上に難しい」と、練習に明け暮れる日々だ。

 ◆中野 郁海(なかの・いくみ)2000年(平12)8月20日生まれ、鳥取県出身の18歳。14年4月、チーム8のメンバーとしてお披露目。同8月、東京・秋葉原の専用劇場で公演デビュー。同11月発売のAKBのシングル「希望的リフレイン」で初選抜。今年6月、「とっとり未来キッズプロジェクト」応援キャラクターに就任した。

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