「半分、青い。」トヨエツ怪演の秋風 本名判明にネット衝撃!北川悦吏子氏 役名へのこだわり

[ 2018年5月25日 08:15 ]

連続テレビ小説「半分、青い。」で豊川悦司が演じる人気少女漫画家・秋風羽織の本名が明らかに(C)NHK
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 女優の永野芽郁(18)がヒロインを務めるNHK連続テレビ小説「半分、青い。」(月〜土曜前8・00)の第47話が25日に放送され、俳優の豊川悦司(56)が“怪演”している人気少女漫画家・秋風羽織(あきかぜ・はおり)の本名が明らかになった。あまりにもイメージと異なる名前に、一時ツイッターのトレンド1位になるなど、インターネット上には“衝撃”“笑撃”が走った。

 秋風は、高校生の鈴愛(すずめ)(永野)がその作品に引き込まれ、漫画家を志すきっかけになった人物。鈴愛は上京し、秋風に弟子入りした。偏屈な性格から編集者を泣かしているが、作風や風貌はもちろん、鈴愛の実家がある岐阜の名物「五平餅」を「真実の食べ物だ」と表現するなど、独特の感性を持つ。新作構想メモの“紛失事件”を謝るため、鈴愛の実家を訪れた際には「富士山より西は、和装で行くと昔から決めております」と物事へのこわだりも強い。

 第45話(23日)においては、10時間に及ぶクロッキー大会の後、お酒を飲みながら律(佐藤健)に対し「私はここに来るまで回り道をしました。漫画家デビューは遅いです。美大に入り、絵を描き、周りの上手さにおののき、ドロップアウトして中退し、セールスマンになりました。大阪で百科事典のセールスをしていました。でも、ある日、炎天下の昼、百科事典を売って回りながら、僕は決心をしました。30前で覚悟を決めたんです。漫画家を目指そうと。仕事を辞め、バイトをしながら投稿を始めました。退路を断ったわけです。一見、余計なことをする時間も、回り道もあっていいと思います。いろんなことがあって、すべてが今につながっていく」と珍しく身の上話。意外とも言える過去が明かされた。

 漫画の世界観から美少女か美少年かと想像される秋風。第47話の最後、病気の再発が疑われる秋風のかかりつけ・信濃町大学病院の領収証がないと、秘書の菱本(井川遥)が出したのは六本木駅裏歯科の領収証。宛名には「美濃権太」と書かれていた。鈴愛は「みの…ごんた?」。菱本は「秋風先生の本名です」。鈴愛らは呆気に取られた。

 ドラマ関係者によると「美濃」は北川氏の出身地・岐阜県美濃加茂市に由来。鈴愛が生まれたのも東美濃市(架空の都市)だったため、縁がある感じにしたかったという。「みの」からタレント・みのもんた(73)を連想。もう少し“ごつい”名前がいいと「美濃権太」に決まったという。

 インターネット上には「美濃権太!衝撃の本名!」「衝撃の本名。結構スレスレのところ行くよね」「よりによって、逆方向な本名をブッ込んできたなぁ。そんな名前、よく思いつくよな」などと衝撃を受けた書き込みが殺到し、大反響。「美濃権太がトレンド1位。吹いたw」「シリアスに転ぶかと思いきや、このオチw美濃権太、最高やね!」「本名が美濃なら、秋風先生が岐阜に親近感を覚えるのも無理ない(笑)」などと、この日前半のシリアス展開から最後は一気に視聴者の笑いを誘ったようだ。

 NHK教育テレビ「できるかな」のゴン太くん、TBS日曜劇場「ブラックペアン」の高階権太(小泉孝太郎)を思い起こすユーザーもいた。

 ヒロインの名字・楡野(にれの)の由来もユニーク。4月12日放送の同局「日本人のおなまえっ!」(木曜後7・30)で、北川氏のコメントが紹介され「なぜ楡野にしたか問題ですが、第一はあの替え歌。ジュディ・オングの『魅せられて』。あのサビの部分のパロディーです」。幼少期の第7話(4月9日)。同級生のブッチャーらが鈴愛をからかう時に「女は海(女は恋)」の部分を「楡野はバカ〜」と歌った。北川氏は「このジュディ・オングの『魅せられて』のパロディーは、高校の時に実際に私が見聞きしたものです。どうしても、いつかドラマで書きたかったのです。そして、楡野が美しいと考えあたりました」とメロディーにハマる響きが理由だと明かした。

 また、ヒロインの名前・鈴愛は、北川氏が脚本・監督を務めた映画「新しい靴を買わなくちゃ」(2012年公開)に登場する八神鈴愛(桐谷美玲)と同じ。北川氏は同番組に「『スズメという名前は脇役の名前ではない。ヒロインクラスの名前だ』とプロデューサーの岩井俊二さんに強く言われました。そして、家にいる娘がスズメという名前を大層、気に入りまして『スズメがよかった』と連呼され、『そんなにか?』と思いました。この2つの理由によって、いつかスズメというヒロインのドラマを書かなくてはと思っていました」と告白。さらに「とにかくドラマの中の名前は見ることより聞くことの方が圧倒的に多いので、読んだ時の響きが大事。字はいつも後から考えます」と命名のこだわりを打ち明けた。

 ちなみに、鈴愛の運命の幼なじみ・律の名字・萩尾は、北川氏が脚本を担当した名作「オレンジデイズ」(TBS、04年)のヒロイン・萩尾沙絵(柴咲コウ)と同じ。秋風も、北川氏脚本の“月シリーズ3部作”「三つの月」(TBS、15年)の登場キャラクター・秋風蒼太(谷原章介)と同じになっている。

 今作の台本上の表記は「スズメ」「リツ」などカタカナになっており、北川氏は今年2月下旬に行われた合同インタビューでも「たぶん『オレンジデイズ』を書いた時から全部カタカナになってきたんですが、視聴者の皆さんが耳で聞く時は音しかないじゃないですか。いちいち漢字は分からないわけだから、視聴者の皆さんに一番近いのはカタカナと思い、そうしています」と明かしている。

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