羽生竜王、フィギュア羽生へ金エール「これまでの集大成見せて」

[ 2018年2月17日 05:30 ]

羽生善治竜王
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 17日に史上最年少プロ棋士・藤井聡太五段(15)との大一番を前に、羽生善治竜王(47)がスポニチ本紙独占インタビューに答え、16日にフィギュアスケートの男子ショートプログラム(SP)で首位に立った羽生結弦(23)を祝福した。ケガを乗り越えた王者のフリーの演技を楽しみにしているが、同時間帯には藤井との「朝日杯オープン戦」準決勝が行われる。国民栄誉賞受賞後、初の対局。舞台が異なる「羽生」の絶対に負けられない戦いが幕を開ける。

 ケガからのブランクを全く感じさせず、SPで自己ベストに迫る111・68点で首位に立った羽生結弦。ノーミスでの圧巻の演技に、羽生竜王は「好発進で17日(のフリー)が楽しみになりました」と期待。さらに「五輪という晴れ舞台で、これまでの集大成を見せてほしいと思っています」とエールを送った。これまで羽生が右足首のケガで五輪に出場できるのかどうかを心配していただけに、ぶっつけ本番で結果を出したことを自分のことのように喜んだ。

 竜王が羽生に注目しはじめたのは、2010年ごろ。読み方は違うが名字が同じ漢字という縁からだ。応援していることを公言するだけあり、フィギュア全般に詳しい。「男子はとんでもないレベルの戦いで、肉体の極限でやっている感じ。男子がみんな4回転を跳ぶ流れになったのは、間違いなく羽生選手の影響」「(4回転が得意の米国)ネーサン・チェンは、わけもなく跳んでる」などと力説。一方、羽生の魅力については「自分の道を究めるというか、自分の限界に挑戦している姿が素晴らしい」と称賛した。

 将棋とフィギュア。異なるフィールドの共通点は「何年かたつと以前のやり方と違うことをマスターしていかなくてはならないというところ。チャンピオンは挑戦する気持ちを持ち続けられるのかが大事になってくる」。自身については「挑戦する“気持ち”は持っています。やっているかはどうかは分からないけど」と声を上げて笑った。

 羽生の台頭前からフィギュアは家族の中心にあった。2人の娘が小学生のころ教室に通っており、妻で元女優の理恵さん(47)が授業を終えた娘を、横浜市のスケートリンクに送り届けていた。当然、家族全員がフィギュア好きで羽生ファン。特に理恵さんはツイッターのハンドルネームを「羽生理恵 羽生結弦全力応援」とするなど熱狂的だ。昨年秋の4回転半を目指すとの報道には「(中略)無理しないで。生きて息吸ってるだけでいいよ」と記したほか、五輪前には「平成の君然とした今の羽生結弦プログラムなんて眼福そのもの。平昌まで祈願に行きたい…」とするなどメロメロ。夫の対局よりも気になっているようだ。

 竜王は17日、「朝日杯」の準決勝で、藤井五段との対局を控える。フリーとほぼ同時刻に対局が行われるため、リアルタイムでの観戦はかなわないが、竜王は「私が内容を知るのは夕方以降になります」と締めくくった。これは午前の対局で藤井を破り、午後の決勝に進む決意を表した言葉。貪欲に金メダルを目指す羽生の滑りに感銘を受けた竜王が、強気な駒さばきで勝利を呼び込む。

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