藤井五段「勝つことができて嬉しい」 羽生竜王「終盤の入り口から苦しいかなと」

[ 2018年2月17日 15:41 ]

朝日杯将棋オープン戦準決勝、対局前に駒を並べる藤井聡太五段(左)と羽生善治竜王
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 将棋界史上初の永世7冠を達成した羽生善治竜王(47)と史上最年少の中学生プロ棋士・藤井聡太五段(15)が公式戦初対戦する第11回朝日杯将棋オープン戦準決勝が17日に東京・有楽町朝日ホールで行われ、先手の藤井五段が119手で勝利した。

 振り駒の結果藤井が先手、羽生が後手番に。戦型は相居飛車から3度の角交換を経て、藤井が先に仕掛ける形に。藤井は先に時間を使い切ったものの、羽生の王を巧みに中段に誘い出し、最後はきれいな詰みに仕留めた。

 【一問一答】

 ―対局を振り返って。

 藤井 自分の全力を尽くした結果、勝つことができて嬉しく思っている。

 羽生 難しいところもあったと思うが、終盤の入り口くらいから苦しいかなと思って指していた。

 (別会場で、あらためて対局を振り返り)

 藤井 本当に難しい将棋で、最後の最後まで分からなかったのですが、最後まで全力で指したのが幸いしたかなと思う。

 羽生 終盤の入り口から少しずつ苦しい感じになってしまって、ちょっと追いつくのは難しかったかなという感じだった。

 ―羽生竜王に全棋士参加棋戦の準決勝で勝った。

 藤井 羽生竜王とこのような素晴らしい舞台で対局する機会をいただいて、その中で自分の力を尽くして戦えたことは良かった。

 ―勝利したのは感慨深い?

 藤井 私が将棋を始めた頃から羽生先生はとても大きな存在、憧れでもあったので、その羽生先生と公式戦で対局するというのは一つの夢でしたし、そこで勝利を収めることが出来たのは感無量です。

 ―これだけのお客さんが来ていたが。

 藤井 対局が始まってからは集中して指すことが出来たと思います。緊張しすぎずに、ほどよい緊張感でできた。

 ―決勝は広瀬八段と。勝てば最年少で優勝になる。

 藤井 とても大きな勝負になるが、自分の力を尽くして戦いたいと思う。

 ―藤井さんと初めての公式戦となった。1年前の非公式戦と比べて。

 羽生 1年前も今回も非常にしっかりとした落ち着いた差し回しで、安定感があると感じを持ちました。秒読みで時間が短い中でも非常に冷静に1手1手指されているなという印象。

 ―若手の挑戦を次々と受けている。

 羽生 棋士になって30年以上経っているので、後輩と対戦が増えているのは自然なことと思うが、その分を差し引いても非常に若い世代が力強く台頭してきているなとひしひしと感じている。自分なりにもまた一生懸命頑張って対抗していけるようにしたい。

 ―楽しいという気持ち?

 羽生 今日の将棋もほとんど過去に私が指したことのないような形だった。新しい形とか、戦型が出てきているところを自分なりに楽しみながらやっていけたらいいのかなと思う。

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