「ひよっこ」美代子と世津子の“直接対決”「神回」収録は一発OK 菅野美穂は「美代子派」

[ 2017年9月2日 08:15 ]

実(沢村一樹)に別れを告げる世津子(菅野美穂)(C)NHK
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 女優の菅野美穂(40)がNHKの連続テレビ小説「ひよっこ」(月〜土曜前8・00)に大女優・川本世津子役でレギュラー出演。8月3日放送の第106話では、有村架純(24)、木村佳乃(41)、沢村一樹(50)と長回しによる圧巻の4人芝居を披露。視聴者から「神回」との声も上がったシーンを「リハーサルから異様な雰囲気でした」と振り返り「皆の呼吸が合ったんでしょうね。1発撮りでしたから…」と収録が一度きりだったことを明かした。

 菅野が演じる世津子はヒロイン・谷田部みね子(有村)の父・実(沢村)が記憶を失い、行方不明になっていた2年半の間、一緒に暮らしていた物語のキーパーソン。第106話は、実の妻・美代子(木村)が2年半ぶりに実と世津子の家で再会。自分を覚えていないことを痛感しながら、実を“保護”していた世津子を交えて話を始める。そして、どうして警察や病院に届け出てくれなかったのかと、世津子に実を待ち続けた家族のつらい気持ちを訴えるシーンが、オープニング曲を除いたすべての放送時間で描かれた回だった。

 菅野は台本を受け取った時の心境を「皆で目指せるはっきりとしたものがなくて、一人一人の受け取り方が違うシーンだったので、作戦を立てずにいこうと思いました」と明かし「世津子さんとしては、いつか家族の元に実さんを返さなければいけないっていうのは、彼がみね子さんのお父さんだって気付いた時からあっただろうから…。でも、みね子さんたちの悲しみに直面して初めて、私は彼を誘拐していたんだって気づいて『そんなつもりじゃなかったのに。自分はなんて罪深かったんだ』っていう驚きと後悔のシーンだと感じました」と世津子の気持ちを思いやった。

 「リハーサルから異様な雰囲気でした。皆の呼吸が合ったんでしょうね。NHKのスタッフの方も百戦錬磨の方ばかりなので、ササッと撮って…」と振り返った長回しでの収録は、何と一発OK。放送後、世津子と美代子の“直接対決”は話題を呼び、視聴者の意見は“世津子派”“美代子派”と真っ二つに。「あさイチ」(月〜金曜前8・15)で恒例となっている“朝ドラ受け”では、有働由美子アナウンサー(48)が「世津子の気持ちになっちゃったから」と目に涙を浮かべた。

 菅野自身からは「4月から『ひよっこ』を見ている立場としては、もちろん“美代子派”じゃないですか」と意外な言葉。世津子の人気が出た要因を問われ「分からないです。どう考えても美代子さんの方が正しいと思います。世津子さんが愛人に見られず、視聴者の皆さんの理解を得られたのは岡田マジックですね」と笑顔で岡田惠和氏(58)が手掛ける脚本を理由に挙げ、「美代子さんが木村佳乃さんだったのも大きかったと思います。だから私も素直にぶつかれました」と木村への感謝も口にした。

 世津子と実の関係については「(世津子の)精神的なよりどころとして、どれだけ大事だったかということに重きを置いて考えました」と世津子役ならではの考えを披露。共演者とも語り合い「沢村さんが『2人は男女の関係じゃなかったと思う』とおっしゃったんです」と明かした。菅野と木村の鬼気迫る演技によって圧倒の15分間に仕上がった「ひよっこ」屈指の“神回”は、もちろん多くの視聴者にも感動をもたらした。

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