さくらいよしえさん 超刊「きょうもセンベロ」取材の裏話など

[ 2016年11月6日 11:30 ]

よしえねばねばスペシャル

 【笠原然朗の舌先三寸】スポニチ本紙のカラー企画「超刊スポニチ」で第2金曜日に掲載の「きょうもセンベロ」が連載3年目に突入した。

 “センベロ”ライターのさくらいよしえさん、イラストレーター・河井克夫さんのコンビに、編集者である筆者、カメラマンの4人、自称「センベロ隊」で店を巡る。

 「センベロ」とは、1000円でべろべろになるまで飲める酒場のこと。04年に亡くなった作家・中島らもさんが言いだしっぺだとされる。

 「きょうもセンベロ」のコンセプトもそんな安酒場巡り。

 巡った店のリストは以下の通り。有名店、老舗、チェーン店、メディアにほとんど登場したことがない店などいろいろ。

 【14年】

 10月 ニューカヤバ(茅場町)

 11月 丸健水産(赤羽)

 12月 中央酒場(横須賀)

 【15年】

 1月 うな達(池袋)

 2月 酒ノみつや(阿佐ケ谷)

 3月 進開屋(千石)

 4月 立ち呑み 福道(練馬)

 5月 せ・ぼん(門前仲町)

 6月 山口屋食堂(大塚)

 7月 だるま(清澄白河)

 8月 花門(上板橋)

 9月 十一屋(千石)

 10月 倉井ストアー(立石)

 11月 鎌倉酒店(江古田)

 12月 信濃路(鶯谷)

 【16年】

 1月 串銀(五反野)

 2月 あいはま(新橋)

 3月 沼津港 海将(上野)

 4月 狸穴(上北沢)

 5月 百味家(船堀) 6月 天国(横須賀)

 7月 大越(神田)

 8月 赤提灯(上野)

 9月 馬力(錦糸町)

 10月 藤八(中目黒)

 巡りも巡ったり。飲んだ酒量はいかばかりか? 店選びは筆者が担当。選考基準は、過去に足を運んだことがある店で、1000円でべろべろになれる…とまではいかないが、酒や料理が安いこと。そして「面白さ」。

 「面白さ」の基準は、店の雰囲気、営業形態、店主・女将のキャラなどで、独断と偏見。さくらい、河井コンビに「戦いのリング」を提供し、そこで取材が始まる。

 何に「面白さ」を感じるかは、ご両人別々。一致することもあるし、違うこともある。

 簡単なすりあわせはするが、基本的に原稿が上がってくるまで内容は分からない。

 新聞、雑誌、単行本などで取り上げた店は「1000軒以上」というさくらいさんが活写する酒場の人間模様と、サブカルマインドいっぱいの河井さんのイラストが紙面でスパークし合うのを見るのは編集者冥利(みょうり)に尽きる。

 2年間で巡った店のリストを見て、改めていろいろな出来事があったな…と思い出す。

 ある店の店主は、自ら「ヒラメみたいにペラペラでしょ」と言うほどのやせぎす。「2カ月ぐらい店を休んじゃうこともあった」と言うからの健康面の問題かと話を聞くと、原因はアルコール依存症。「なら紙面で断酒宣言しましょう」という提案を快く受けてくれた。

 ある店では、誕生会を開いていた地元客のグループに合流。酒を振る舞ってもらった揚げ句、2次会のカラオケにまでお邪魔した。東京の下町ならではのエピソード。

 ある店では、取材した日、客はわれわれ4人だけ。飲み食いをし、勘定を支払ったあと、店の外まで送りに出た店主が「実は今朝、母親が死んだんです」。心の中でそっと手を合わせた。

 原稿になったこともあるし、書けなかったこともある。

 酒場は人間劇場。店の酔客は役者にもなれば、観客にもなる。単なる店のガイドではなく、ハプニングを含めて臨場感のある人間模様をこれからも紙面でお届けしていきたい。

 次回、11日付はJR埼京線板橋駅近くの居酒屋「北海」。さてどんな原稿が上がってくるのか…。(専門委員)

 ◎よしえねばねばスペシャル

 酒場巡りに忙しいさくらいさんだが、家での一杯も欠かさないという。最近、よく作るという酒のアテがこれ。「海苔があれば乗せてもいいけど、高いからなかなか買えない」。その庶民感覚が原稿に生きる。

 【作り方】

 (1)アボカドは皮をむいて一口大に切る。オクラは薄い輪切り。

 (2)練り混ぜた納豆に(1)を加え、半熟卵(温泉卵でも可)をのせてできあがり。

 味付けは納豆についているたれ。「私は半分だけ使って、あとはしょうゆやショウガを…」とさくらいさん。

 ◆笠原 然朗(かさはら・ぜんろう)1963年、東京都生まれ。身長1メートル78、体重92キロ。趣味は食べ歩きと料理。

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