渡辺謙「心意気感じた」釜山映画祭ステージ倒壊も会場変更で開幕

[ 2016年10月7日 06:31 ]

釜山国際映画祭のオープニングセレモニーに参加した渡辺謙(左)と李相日監督
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 アジア最大級の規模を誇る第21回釜山国際映画祭(韓国)が6日、開幕した。前日5日に直撃した台風18号の爪痕が残る中、オープニングセレモニーを実施。日本からは「怒り」に主演した渡辺謙(56)や李相日監督(42)らがレッドカーペットを歩いた。

 現地は5日未明から午前にかけて台風18号が直撃。強風や浸水による被害に見舞われた。映画祭の会場も、ビーチ沿いに設営されたステージが強風で倒壊。オープニングセレモニーなどが行われるメイン会場は無事だったが、映画祭の目玉のひとつだったビーチ沿いステージの倒壊で、一時は開催自体が危ぶまれた。

 この事態に映画祭側はビーチ沿いで行われる予定だったイベントの会場を変更するなどして対応。オープニングセレモニーなどの準備も夜を徹して行い、予定通りの開幕にこぎつけた。

 また、同映画祭は2年前、旅客船セウォル号沈没事故を描いたドキュメンタリーを上映したことで釜山市と関係者が対立。今回は韓国映画監督組合など4団体が参加をボイコットする異常事態にもなっている。

 そんなピンチを乗り越えての開幕に、渡辺は「いろんな問題を抱え、台風の被害を受けた中でも映画祭を開く。その心意気を感じる」と強調。7日にビーチ沿いで行う予定だったトークイベントは会場の変更を余儀なくされたが、「そういったことも野外イベントの醍醐(だいご)味のひとつ」と前向きに語った。

 同映画祭に参加するのは3度目。レッドカーペットではファンから「ケンサーン!」と他の参加者と比べても、ひときわ大きな拍手と歓声を浴びていた。

 「怒り」はアジアの巨匠監督の作品を上映する「ガラ・プレゼンテーション」に招待されている。渡辺と李監督はきょう7日に行われる会見と公式上映にも参加する。

 ◇釜山国際映画祭 1996年にスタート。今回は15日までの期間中に69カ国299作が上映される。日本からも「君の名は。」の新海誠監督、「シン・ゴジラ」の長谷川博己、「嫌な女」で監督を務めた黒木瞳ら豪華ゲストが参加する。

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