シン・ゴジラ 野村萬斎が動きを担当 どっしり、ゆっくり「狂言や能の様式美で」

[ 2016年7月29日 11:52 ]

映画「シン・ゴジラ」初日舞台あいさつに登場したスクリーンに映しだされた野村萬斎

 日本で12年ぶりに製作されたゴジラシリーズの新作「シン・ゴジラ」(総監督庵野秀明)が29日、公開初日を迎え、主演の長谷川博己(39)をはじめ、竹野内豊(45)、石原さとみ(29)、高良健吾(28)らが都内の映画館で舞台あいさつを行った。イベントでは、シン・ゴジラを演じていた329人目のキャストが狂言師の野村萬斎(50)だったことも発表された。

 東宝が12年ぶりに製作するシリーズ29作目で、人気アニメ「エヴァンゲリオン」シリーズで知られる庵野秀明氏(56)が脚本、編集、総監督を務めた同作。東京湾、鎌倉、川崎市街などに出没したゴジラと日本国との戦いを描いた。シン・ゴジラは着ぐるみを使った撮影はなく、史上最大となる体長118・5メートルのゴジラはフルCGで描かれた。

 329人目のキャストとして野村が「私がどこに出ていたかわかりましたか?タイトルロールです。タイトルの役をやったのが私です」とスクリーンに映し出されると、会場からはどよめきが起きた。モーションキャプチャでゴジラの動きを担当した野村は「ゴジラという物体、生物のDNAを私が継承しております。ずっと言いたかったが、かん口令できょうまで言うことが出来ませんでした」とVTRでコメント。樋口真嗣監督(50)からのオファーには「そうきたかと」と思ったといい、「正直、嬉しかった。私が着るぐるみを着たわけじゃないが、私の関節の動きがゴジラの動きに要約されて出来上がるということで、とても光栄に思いました」と出演を喜んだ。

 動きについても「わざわざ私に白羽の矢を立ててくださったのは狂言や能の様式美を意識されたんだと思う。神とか幽霊とか犯し難い存在を期待されたと思うので、どっしりとゆっくりした動きの中で表現したいと思った」と自信。最後は「こんな作品に出させてもらえて、しかもタイトルロールでウヒッヒッヒッ。ぜひもう一度、野村萬斎だと思ってゴジラを見てください」とお茶目にコメントし、再度の鑑賞を呼びかけた。

 長谷川は「萬斎さんとは10年以上前からの付き合いなんですが、萬斎さんにオファーしたと聞いた時に、ゴジラになってあいつを踏み潰せるの?って言ってたと言っていたと聞いたのが印象的」と笑いつつ、「東京で止まるときはまさに萬斎さんだなと思った。独特の日本の伝統芸能が入って、オール・メイド・ジャパンだなと再確認した」と話した。

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2016年7月29日のニュース