石原軍団 熊本で笑顔の炊き出し 1万2000食、俳優も車中泊

[ 2016年6月12日 07:25 ]

被災者の子供に食事を振る舞う舘ひろし

 舘ひろし(66)、神田正輝(65)が所属する石原プロモーションの俳優らが11日、熊本県益城町を訪れ、約1700人が避難生活を送る総合体育館近くで炊き出しを行った。15日まで県内各地で約1万2000食を提供する予定。舘は被災者の笑顔に「僕らがありがとうと言いたい」と語った。

 舘が「おいしいよ!」と声を掛けながらカレーライスなどの料理を手渡すと、人々に笑顔が広がった。今回の炊き出しは、地震から2カ月たった今も体育館で避難生活を送る被災者を優先し、隣接する陸上競技場を会場にして、食券を配って行われた。

 1987年の石原裕次郎さんの死後、石原軍団を引っ張ってきた渡哲也(74)が「熊本の皆さんに役に立つことができれば」と出張炊き出しの指令を出した。渡自身は昨年6月に急性心筋梗塞を発症し、静養しているため、熊本には来られなかったが、舘をはじめ、金児憲史(37)宮下裕治(41)、4月のオーディションで選ばれた新人の神田穣(20)と丞威(じょうい、22)が参加し、「熊本元気食堂」と名付けて思いを実現させた。神田正輝は大阪でのテレビ収録後、合流した。

 舘は「おととい(9日)、渡と会って“誠心誠意、頑張ってほしい”と言われました。僕らが差し上げられるのは元気だけ」と語った。

 石原プロが被災地で炊き出しをするのは95年の阪神大震災、11年の東日本大震災以来3度目。炊き出し自体は、70年ごろから映画やドラマの撮影現場で温かい食事を作って、その場でみんなで食べるという軍団の名物。今回は食料や鍋などの道具を積んだ10トントラック4台を含め、約20台の車で現地に入って準備を進めてきた。

 大きな被害を受け、現在も倒壊した住宅や、亀裂の入った道路など地震の傷痕が生々しい益城町。舘は「こういう状況の中、元気な姿を見せに食堂へ来てくれた人々に、僕らがありがとうと言いたい」としみじみ話した。

 この日はカレー、豚汁、唐揚げ、豚のしょうが焼きなど9品目1200食を提供。今後は15日まで熊本県内で行い、延べ1万2000食を振る舞う予定。舘によると、被災者に寄り添うため、俳優陣は車中泊で5日間過ごして、被災者と触れ合っていく。

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