新朝ドラ「まれ」 視聴者評価が辛口の背景 カギ握る“ダメ親父”大泉洋

[ 2015年4月4日 16:30 ]

NHK朝の連続テレビ小説「まれ」に出演の(左から)大泉洋、松本来夢、土屋太鳳、常盤貴子

 3月30日にスタートしたNHK朝の連続テレビ小説「まれ」。今作は石川県の能登地方を舞台に、パティシエになる夢を持った少女が奮闘するという物語だ。ヒロインは前々作「花子とアン」にも出演していた土屋太鳳(20)が務め、主人公を取り巻く出演者に大泉洋(42)や常盤貴子(42)、田中裕子(59)など、豪華布陣が脇を固めるとあって話題となっている。しかし、開始間もないせいか、視聴者の反応は少し辛口のようだ。

 第1週目は通常の朝ドラ同様、主人公の幼少期が描かれる。大泉演じる主人公の父親は、でっかい夢を追いかけるあまりに失敗を繰り返すダメ親父。そんな父のせいで、一家は夜逃げをするように、縁もゆかりもない石川県能登地方にやってくる。これが最初のエピソードだ。

 データニュース社(東京)が行なっているテレビ視聴アンケート「テレビウォッチャー」(3000人対象)によると、初回の視聴満足度は3・62(5段階評価)。前作「マッサン」が3・54、前前作「花子とアン」が3・3と、最近の作品の中ではまずまずの出だしだったが、2話目では3・41と2・1ポイントも下がってしまった。

 視聴者の反応はどうだろう。第1話を見ての「テレビウォッチャー」に寄せられた回答では「朝から元気なまれちゃんを見て元気をもらえる感じがした。これからの展開が楽しみ」。(51歳・女性)、「ヒロインの子供時代を演じている女の子がはつらつとして好印象」(36歳・男性)と、主人公の少女時代を演じる子役の松本来夢(11)を支持する声が多く、高評価につながったようだ。

 しかし、2話では、「だめおやじすぎる」(49歳・男性)、「お父さんにイライラする」(53歳・女性)、「大泉洋のダメ親父っぷりがどこまで受け入れられるか」(46歳・男性)など、失敗を繰り返しても反省の色が見えない父親への厳しい意見が目立ち、満足度を下げてしまったようだ。

 しかしこの反応はネガティブなものだけではないだろう。登場人物の行動に苛立ってしまうのは、物語に感情移入している証拠でもある。早くも2話目の段階でこのような反応があるということは、大泉洋の好演のおかげともいえる。この先の約半年間にわたる物語の中で、父親がどう変わり、主人公がどう影響を受けていくのか、期待が膨らむ良いスタートを切ったと言っていいだろう。

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2015年4月4日のニュース