座長公演にも区切り 北島三郎「これからは歌で世の中に尽くしていく」

[ 2014年12月30日 09:58 ]

笑顔でサムアップする北島三郎
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北島三郎インタビュー(4)

 2014年も31日で幕。今年も多くの国民が「第65回NHK紅白歌合戦」(後7・15)で一年を締めくくる。でも今年は、紅白にこの人がいない。演歌界の大御所北島三郎(78)だ。やっぱり、この顔を見ないと、年を越した気にならない!…というわけで、50回出場した紅白の思い出や、これからの歌手人生について大いに語ってもらった。

 大みそかにNHKホールに立つことはない。「俺の役目は終わったのに“いなきゃ寂しい”とか“出てほしい”とかの声もいただく。でも、決めた以上は変わらないよ」。

 来年1月29日の福岡・博多座公演千秋楽で、約半世紀、通算4578回にわたり務め上げてきた座長公演にも区切りをつける。その後はむしろ身軽さを生かし、これまで行けなかったような津々浦々に足を運び、現地の人とじかに交流を深めていくつもりだ。

 「この道を歩かせてもらっているから、何か返さなきゃただのジジィになっちゃうからね」

 そんな思いをより強めたのは、11年の東日本大震災だった。「芸道50周年ということで本当はそこで紅白に区切りを、と思っていた。だけどあんなことになって。被災した方からもいろんな声をいただいて、手前勝手なことを言わず、人のために励ますような歌を歌わないとって。でないと真っ暗なままじゃない」。暮れは被災地へ、ニッポンへの思いを込め「帰ろかな」を熱唱した。

 「今は歌手になるのも簡単だし、辞めるのも簡単。俺たちは、歌手になることに命が懸かっていた。これからも俺は歌でもって、世の中に頑張って尽くしていきたい」

 18歳で上京し、デビューまでに8年を要した。それだけに、一曲一曲への魂の込め方は誰よりも強い。なおも険しい芸の道を究めようと、歩みを止めない御大。魂の抜けた紅白は見せられない。

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