海原しおりさんの遺志継ぎ…さおり“共同本”出版へ

[ 2014年1月7日 05:30 ]

涙ながらに思いを語る大木こだま、海原さおり夫妻

 脳腫瘍のため3日に亡くなった女性漫才コンビ「海原さおり・しおり」の海原しおりさん(享年58)の告別式が6日、大阪・箕面聖苑でしめやかに営まれ、落語家桂ざこば(66)ら約210人が参列、最後の別れを惜しんだ。

 36年間コンビを組み、しおりさんの最期もみとった相方の海原さおり(56)が「思い出が多すぎて、今は何も言えません。私はホンマに大好きでした」と声を震わせながら弔辞を読むと、参列者からは嗚咽(おえつ)がもれた。

 出棺後、さおりはしおりさんが病床で、自身の病状や気持ちをノートにしたためていたことを告白。「しおりちゃんの遺志を継いで彼女が“こんなに頑張ってたんや”ということを本にしたい」と話し、今後さおりが加筆し2人の“最後の共同作業”として出版する意思を明かした。

 さおりによると、しおりさんは「同じような経験をしている人を少しでも元気にしたいねん」と、入院中に書き始めた。病が進行しペンを持つことが難しくなった後も、気力を振り絞り少しずつ書きためていたという。

 棺の中には2人で出したCDや漫才の台本なども入れた。さおりはすべてを見送った後「体の芯がなくなった感じ。こんな悲しいことってあるんですね」とまた号泣。「おばちゃん漫才としてこれから、という時やったから…。本当に無念でしょうね」と声を絞り出し、志半ばで逝った戦友を思いやった。

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2014年1月7日のニュース