“ガテン系ピアニスト”天平 新作「火の鳥」で被災地激励

[ 2012年2月11日 10:47 ]

天平「火の鳥」アーティスト写真

 筋骨隆々の異色のピアニスト、天平(31)が東日本大震災の被災地へ激励の思いを込めたアルバム「火の鳥」(3月21日)を発売する。愛称は“ガテン系ピアニスト”。そのルーツは16歳で高校を中退し、地元神戸の実家を飛び出してから始めた肉体労働。「自分が人より優れていることは体力」と決め、とび職、引っ越し業などを経て最後は寮に住み込みで半年間、解体業で生計を立てた苦労人だ。

 14歳の時に阪神大震災で自宅が全壊。「若すぎて何もできなかった」と振り返り、東日本の被災地の復興を祈る曲を制作。それに加えてピアノを現地へ送る活動も行っている。

 音楽修業のため10年6月から3カ月半かけてイタリア、フランス、ウクライナなど欧州12カ国を周遊。約15キロの電子ピアノをはじめ、バッテリー、ビデオカメラ、パソコンなど総重量40キロの荷物を背負い、フランスのルーブル美術館前広場などで主にストリートライブを行った。イタリア・ミラノではパフォーマンス禁止区域とは知らず警察に追いかけられ罰金100ユーロを払わされるハプニングもあったが、「一言では語り尽くせない人生の旅だった」と熱く振り返る。

 アルバムには刺激に満ちた旅の思い出を詰め込んだ。どの作品も力強い演奏と生命力あふれる旋律が印象的。「これが認められなかったら当分アルバムを作る気をなくすくらい良い一枚に仕上がった」と会心の出来をアピールしている。

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