[ 2010年11月6日 06:00 ]

ビロードの肌触りを連想させるサウンドのロイヤル・コンセルトヘボウ菅

 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団と並び人気、実力ともに世界の頂点にあるといわれるロイヤル・コンセルトヘボウ管。ヤンソンスとは4度目の来日で両者の蜜月関係は一層の深化を遂げている。そしてロイヤル・コンセルトヘボウによるマーラーの第3交響曲といえば、02年の来日で当時の首席指揮者リッカルド・シャイイーの棒で名演を繰り広げたことも強く記憶に残っている。ビロードの肌触りを連想させる独特の響きを持つこのオーケストラが奏でるマーラーは、一時期流行した合奏能力や機能性を誇示するスタイルとは対極を成すものだった。作曲家が作品に投影した自らの思いや心象風景をきめ細やかに描き出し、深い感動に誘ってくれたことを8年経った今も昨日のことのように思い出すことが出来る。これにヤンソンスの情熱が加わるとどんな“化学反応”が起こるのか。筆者も楽しみで仕方がない。

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2010年11月6日のニュース