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[ 2009年12月19日 06:00 ]

ブリュンヒルデの眠る炎に囲まれた岩山を目指すジークフリートは、さすらい人姿のヴォータンと出会う

◇第2場◇ブリュンヒルデが眠る炎に囲まれた岩山に通じる道の岩にヴォータンが腰をかけていると、そこに小鳥に先導されたジークフリートがやってくる。ヴォータンの姿に恐れをなしたのか、小鳥は姿を消す。何も知らないジークフリートはヴォータンに近づき、岩山の頂上への行き方を尋ねる。しかし、あれこれ質問攻めにするさすらい人姿の男にイライラを爆発させたジークフリートは、無理やり前進を試みる。それを遮ろうとヴォータンが槍を突き出すとジークフリートはノートゥングを抜き、槍を真っ二つにしてしまう。「槍の動機」が力を失っていくようにディミニエンドで消え入っていく。かつて、ジークフリートの父ジークムントが手にしていたノートゥングは、ヴォータンの槍によってへし折られたが、今度は逆にノートゥングによって槍が破壊されたのだ。ヴォータンは槍の破片を拾い集めて姿を消す。長い物語の主役交代の瞬間である。この後、ヴォータンは彼を表わす動機として登場することはあるが、実際に姿を現すことはない。

ジークフリートは角笛を吹き鳴らしつつ、炎に囲まれた岩山の頂上目指して突き進んでいく。「炎の動機」が激しさを増すが、それを制圧するかのように「ジークフリートの動機」が鳴り響き、音楽が落ち着きを取り戻したことで、彼が炎を通り抜け頂上に到達したことが分かる。

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2009年12月19日のニュース