【選抜100年 聖地の華】高知・谷口琉偉内野手 努力を怠らない2人の兄の背中を追いかけて

[ 2024年3月22日 05:00 ]

第96回選抜高校野球大会第4日   高知1-3広陵 ( 2024年3月21日    甲子園 )

<高知・広陵>初戦で敗れ甲子園をあとにする高知・谷口(撮影・大森 寛明)
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 高知の背番号14・谷口琉偉(2年)は、兄2人の背中を追いかけきた。一人は、4番として出場した1学年上の隼斗。「打撃は見習うところばかり。頼れる存在です」。少年野球では同じチームに所属したものの、中学では兄は私立、自身は地元の公立に進んだため、違うユニホームを着た。その後、兄が名門の高知に進学したことで目標が決まった。「兄弟一緒に甲子園に出る」。そして兄と同じ高校へ。昨秋まではベンチ外ながら、この選抜で初めて背番号を与えられ夢をかなえた。

 もう一人の兄は、3歳上の長男・朝陽。昨秋のドラフト会議で西武に育成2位指名された。長男は今回の対戦相手である広陵出身で、高校では3年春の1度しかベンチ入りできなった。それでも「1年でNPBに行く」と家族に伝え、独立リーグ・四国の徳島に入団。宣言通り、独立入りから1年で夢をかなえた。「兄は努力を見せないけど、体つきを見れば分かる」。その姿に刺激を受けて励んだ冬の練習がベンチ入りにつながった。

 今大会の背番号発表後、誰よりも先に長男に連絡した。「良かったね」と言われた一言は忘れない。努力を怠らない兄2人がいたからこそ、聖地に立てた。 (河合 洋介)

 ◇谷口 琉偉(たにぐち・るい)2007年(平19)7月25日生まれ、徳島県出身の16歳。小学1年時に山城ファイターズで野球を始めて内野手。中学では、かがわ中央リトルシニアに所属。高知では今春選抜から背番号14でベンチ入り。50メートル走6秒7、遠投85メートル。1メートル68、62キロ。右投げ右打ち。

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