東海大福岡は2度追いつくも惜敗 エース佐藤「夏もう一回帰ってくる」

[ 2024年3月22日 05:00 ]

第96回選抜高校野球大会第4日   東海大福岡4-5宇治山田商 ( 2024年3月21日    甲子園 )

<東海大福岡・宇治山田商>試合に敗れ、スタンドへあいさつに向かう東海大福岡ナイン(撮影・中辻 颯太)
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 7年ぶり出場の東海大福岡は打線が2度追い付く粘りを見せたが、宇治山田商(三重)に4―5で敗れた。エースの佐藤翔斗投手(3年)は137球を投げ5失点で完投したが実らなかった。

 7年前の8強を超える――。東海大福岡ナインが掲げた夢は初戦でついえた。1点差の惜敗。エースの佐藤は「自分の実力不足」と肩を落とした。

 昨秋の公式戦では68回1/3を投げて36四死球と制球を乱してリズムを崩すことがあった。序盤から粘りの投球だったが、4回は2つの暴投などで3失点。4―4と同点に追い付いた直後の6回は先頭への四球が決勝点に結びつき、「出してはいけない四球を出したのは反省」と渋い表情だった。

 投球の幅を広げ、今回の選抜に臨んだ。7年前の選抜出場時のエースだった安田大将コーチ(24)から指導を受け、カーブやチェンジアップなど変化球で打ち取る必要性を説かれた。「自分の意識が変わって、勝てるようになった」と感謝する。試合前にノッカーを務めた同コーチから「結果がどう出るかを楽しみながらやりなさい」と激励を受けたが、勝利で恩返しすることはできなかった。

 打線は2度追い付く粘りを見せたが、一歩及ばなかった。1点を追う9回無死一塁では佐藤がバスターエンドランを試みるも空振り三振に倒れ、併殺でチャンスをつぶした。ミスが目立ち、中村謙三監督は「気持ちの焦りが出てしまったので選手には申し訳なかった」と振り返った。

 佐藤は聖地の土を持ち帰らなかった。「夏もう一回帰ってくる思いがあった」。激戦の夏の福岡を勝ち抜く覚悟を示し、甲子園を後にした。 (杉浦 友樹)

 《野上が同点打も…》東海大福岡は昨秋の公式戦で出場選手トップの打率・600をマークした5番・野上夕輔(2年)が打力を発揮した。5回2死満塁で左前へ同点に追い付く2点打。「とても良かった。鳥肌が立ちました」と興奮気味に話した。だが、1点を追う8回1死では見逃し三振に倒れ、「逆境の場面でどう立ち向かうかで結果も変わってくると思う」と成長の糧にすると誓った。

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