山梨学院「勝利の女神」が後輩たちの成長喜ぶ「冬を乗り越えた結晶」 父は校歌の歌唱を担当

[ 2024年3月21日 21:39 ]

第96回選抜高校野球大会第3日・1回戦   山梨学院7―1京都外大西 ( 2024年3月20日    甲子園 )

中沢日瑚(にこ)さん(左)、父で同校野球部OBのシンガー・ソングライター伸太郎氏
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 春の嵐にも負けなかった。史上4校目の連覇を狙う山梨学院のエース右腕・桜田隆誠(3年)は序盤より風雨が強まった7回から2番手で登板。3回1安打無失点で初戦突破に貢献し「校歌が歌えてうれしい」と笑った。

 投打に頼もしい後輩たちが誇らしかった。この試合、一塁側内野席では昨年大会に記録員としてベンチ入りした中沢日瑚(にこ)さんが、父で同校野球部OBのシンガー・ソングライター伸太郎氏と一緒に見守った。「開会式の時に後輩達が甲子園に立っただけでも凄くうれしい気持ちになりました。試合でも堂々として落ち着いた」。試合中に降った雨がウソのように晴れ渡る空の下、中沢さんの笑顔が輝いた。

 昨年大会は開会式直後の開幕戦から6連勝。山梨県勢初の甲子園大会優勝を果たした。投手では高い制球力を備えるエース右腕・林、打線では下位まで切れ目がなく一度火がつけばビッグイニングをつくれる強打線。タレント揃いのチームが勢いに乗り、一気に頂点まで駆け上がった。中沢さんは全試合でベンチ入りした「勝利の女神」だった。

 一方、今年のチームは個で比較すれば昨年のチームに大きく劣る。新チーム始動時、選手たちは「史上最弱世代」を自認しており、だからこそ小技と守備に一層の磨きをかけてきた。聖地でも自分たちの野球を貫いて1勝をつかんだ。中沢さんは「秋よりも成長していて、冬を乗り越えた結晶が今日の結果だと思います」と後輩たちを誇った。

 「連覇はあまり考えず、自分たちの野球を貫いてほしいです。“俺たちはチャレンジャー”を忘れずに」。山梨学院の伝統の野球を受け継いだ後輩たち。もう一人前だ。(柳内 遼平)

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