阪神・森下 “軽い方”バット継続で不振打開の猛打賞「姿勢、体幹、本来の打撃見つめ直して…」

[ 2023年9月24日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神9―3ヤクルト ( 2023年9月23日    神宮 )

<ヤ・神>3回、森下は二塁打を放ち喜ぶ(撮影・須田 麻祐子)
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 阪神の森下翔太外野手(23)が、長いトンネルを抜けた。23日のヤクルト戦で2試合ぶりにスタメン復帰し、3回に右前に落ちる二塁打で6試合23打席ぶりの安打を記録。4回には左越え二塁打、6回には左前打と固め打ちした。若き3番打者がけん引し、打線は14安打9得点と爆発。球団初のヤクルト戦8連勝、神宮では70年以来53年ぶりの10勝目とし、18日開幕のクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージへ視界良好だ。

 たった一つのきっかけで、これほど激変するのか。4―0の3回だ。森下は無死二塁でロドリゲスの高めカットボールをフルスイング。バットの先に当たった打球はフラフラと右前へ上がった。ここで右翼手サンタナがスライディングキャッチを試みたが、グラブからポロリとこぼれたボールが転々とする間に、二塁打となった。

 リーグ優勝翌日、15日広島戦の第3打席で左前打して以来、23打席ぶりの「H」ランプ。ようやく長いトンネルを抜けると、4回に左越え二塁打、6回に左前打して一気に今季6度目の猛打賞だ。

 「素直に1本出たのは良かったし、1本で終わらなかった。本来の自分の打撃を見つめ直して、姿勢だったり、体幹部を入れたり、バットの出し方ではなくて、バットを出す以前の段階のところを修正しました」

 何がダメになったのか。不振の要因を映像を見て探った。バットも15グラム重いものを取り入れるなど試行錯誤している。「今日は今まで通りの軽い方です」と、今回は860グラムを継続して打開。左中間を破ろうかという大きな左飛を好捕された初回の第1打席から、復調の兆候はあったのかもしれない。ドラフト1位ルーキーは「3番打者が打てば得点するというのが分かった試合。今日はきっかけにすぎない。もっともっと状態を上げていきたいです」と力強く言った。

 試合前、岡田監督にとってうれしい発表がNPBからあった。降雨中止となった22日のヤクルト戦が、10月4日に組み込まれた。当初は同1日の広島戦(マツダ)がペナントレースの最終戦。CSファイナルSの初戦18日までの空白期間が、現時点で3日縮まった。前日の中止前の時点では阪神は7連戦と8連戦が組まれた9月から一転、10月は1試合のみ。「詰めすぎよなあ、日程が。オリックスなんか、9日まであるやん。間空いてなあ」と話していただけに、好材料となった。

 休養も必要。この日は木浪を使わず、近本は途中交代させた。一方で、実戦から大きく遠ざかるのを避けるため、10・9開幕のフェニックス・リーグに1軍全選手を参加させる予定でいる。全員の状態をキープしながら、CSへの準備を進める指揮官。その中で、森下の復調も、最高の吉報の一つだろう。(畑野 理之)

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