“熱男”松田、新天地・巨人で「とことん浮いてやる」 “絶好調”中畑清氏とアツいぜ新春対談

[ 2023年1月4日 05:30 ]

餅のイラストを前に熱々の対談を行った中畑氏(左)と松田(撮影・光山 貴大)
Photo By スポニチ

 ソフトバンクを退団して巨人に加入した松田宣浩内野手(39)と本紙評論家で巨人OB会長を務める中畑清氏(68)の新春対談が実現した。現役への思い、あと9に迫る通算1000打点、さらにチームの盛り上げ方など話題は多岐にわたって大盛り上がり。現役時代は「絶好調男」と称された中畑氏が、40歳シーズンを新天地で迎える「熱男」の本音を引き出した。(取材構成・川島 毅洋、花里 雄太)

 中畑 マッチとキヨシの爆笑対談だな。似たもの同士、ダブって見える。さて、この年で移籍を決めた理由から聞こうか。

 松田 若い頃から“たくさん練習して、お前は40歳までやるんだぞ”と、いろいろなコーチに言われてきました。だから40という数字が頭の中から離れなくて39でやめたら後悔するかなと。トライアウトが終わってすぐオファーを頂きました。戦力として考えている、と。誰にも相談せず、すぐにお願いします、と。

 中畑 残り169安打としている2000安打へのこだわりもあったのか?

 松田 2000安打よりも、打点ですね。あと9で1000なので。打っていたら、もうやめてるかもしれないですけど、去年が全然ダメで、7打点だったので…。

 中畑 バットマンとして打点というのは大きいよな。チームに貢献できたっていうさ。そういうプライドがある。これまでソフトバンクでやっていたキャラで勝負したいというのはある?“熱男”をやっぱり見たいしさ。

 松田 17年、ホークスで元気に楽しくやってきた。それをセ・リーグでもやりたい。アップもずっと先頭でしか走ったことがない。それも継続して。“とことん浮いてやろう”と思います。

 中畑 ベテランになると、“やってはいけないかな”と思うんだよな。でも、マッチはそういうタイプではないからね。

 松田 若い時は自分が打てなかったら、勝っても負けても浮き沈みがあったけど、今年はチームが勝つためにやりたい。みんなとガッツポーズやハイタッチしたり。ジャイアンツだけど、侍ジャパンで、日本代表として戦っているような気持ちで野球をしたいと思っています。

 中畑 もし、俺が君を呼んだ監督だったら涙を流して喜ぶよ。ジャイアンツはどんなイメージ?

 松田 12球団で唯一、名門と伝統という言葉を使っていいチームだと思います。

 中畑 格好いい言葉でまとめるなぁ。俺はマッチのことは弟分だと思っていた。キャラクターもノリもね。“俺はここにいる”という声の出し方のうまさ、タイミング、選手を乗せるコツというか。負けている時に元気を出すことが一番大事なこと。ところで打撃のスタイルでさ、もうちょっと粘るとか、考えたりしたことはあるの?
 松田 一発よりも打率を残して常に試合に出られる状況を自分でつくろうとして去年はスタートしたんです。打球を上げず、低い弾道でセンターから右を意識したけど、それが逆にダメでした。バッティングが小さくなって飛ばなくなり、甘い球も差し込まれました。

 中畑 あと9打点のためにはセンター中心の意識は持った方がいい。(本塁打後の)熱男(のパフォーマンス)は、3回ぐらいやれればいいよ。9打点をクリアしないと悔いを残すからな。ここに骨を埋める覚悟で来たんだから。チャンスで絶対に結果を出す。センター中心にランナーを還す。まずは熱男は封印しなさい(笑い)。まず9打点。

 松田 代打とかで出るなら、ホームランか三振ではなくて、いやらしいところで、野手のいないところに落とすのが一番大きい。そういう役割が大事だと思います。

 中畑 そこに答えが見えたんじゃないかな。もがいているマッチを一年、見届けようじゃないか。ジャイアンツは苦しい状態だけど、俺を獲って良かったんだと答えを見せつけないと。その姿に期待しています。

 松田 ありがとうございます!

 ≪野球教室で「23」初披露≫松田は新天地でのキャンプインとなる2月1日に向けてトレーニングを積み重ね、出場機会を増やすために外野の練習にも取り組んでいる。昨年12月17日に大分県で行われた亜大OBらの野球教室では、背番号23の巨人のユニホーム姿を初披露。精力的に動き回り「違うユニホームを着て野球少年というか野球小僧というか、そういう気持ちになった」と新天地でのプレーを心待ちにしていた。

 【取材後記】松田は40歳を前に移籍を決断した。勇気が必要だっただろう。今は交流戦でセ・リーグとの対戦もあるとはいえまだまだ知らない投手も多い。まさに“いばらの道”である。

 松田は「ジャイアンツに獲ってもらわなかったら、(現役を)やめなければならなかった。(決断の)期限も決めていたので」と感謝し「不安よりもワクワクというかドキドキですね」と新天地でのプレーを心待ちにする。中畑氏も「俺よりも元気がいい」と昨年は4位に低迷したチームを変える存在として期待を寄せている。

 巨人には決められた集合時間ではなく、それよりも早めに集合する「ジャイアンツタイム」と呼ばれるルールがあるが、松田は今回の対談の1時間前にはスタンバイを完了していた。チームにもすぐになじめそうだ。(川島 毅洋)

続きを表示

この記事のフォト

2023年1月4日のニュース