“影武者”からの脱却へ 京都国際・杉原が歩む森下ロード

[ 2022年12月20日 07:30 ]

飛躍のきっかけをつかんだ京都国際・杉原望来
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 DeNAにドラフト4位で指名された森下瑠大の背中を追う左腕が、今年も京都国際にいる。清原和博氏を輩出した岸和田シニア出身で来秋ドラフト候補の杉原望来は、シーズンオフの前に飛躍のきっかけをつかんだ。三重県熊野市で11月に行われた「くまのベースボールフェスタ」の関東一戦で、自己最速を更新する143キロを計測。スピードでは森下に並び、プロスカウトの評価も高まった。

 「下級生を引っ張っていかないといけない自覚が出てきた。最速を更新して、自信がついてきたのも大きいと思います」

 “影武者”からの脱却が今冬のテーマだ。背格好は森下よりも一回り小さいが、フォームがそっくりなため、視察に来た関係者から間違われることもしばしばだった。森下がプロ入りし、今度は自分の力で目標とする同じ最高峰の舞台へ進むために、アピールしなくてはならない。全体練習後の自主練習では、森下から教わった腹筋のメニューなどウエートにも取り組み、食事の量も増やしてすでに秋から体重は3キロ増。「夏までには150キロを出す」と鼻息も荒い。

 京都国際は22年春こそ新型コロナウイルス集団感染により開幕前日に出場辞退を強いられたが、21年春から“4季連続”で出場権は獲得してきた。23年春は今秋近畿大会1回戦で敗れたため出場の望みは薄いが、まだ体の線が細い杉原にとっては、トレーニングの時間が増えることはプラスに働きそうだ。小牧憲継監督も「森下より体は強い。どれだけ投げても平気な顔をしている」と丈夫さをストロングポイントに挙げる。「背番号1として甲子園で日本一を獲る」と壮大な野望をぶち上げる左腕が、夏とドラフト戦線を盛り上げる。(記者コラム・北野 将市)

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2022年12月20日のニュース