井端弘和氏が答えた「あのときの精神状態」

[ 2022年12月16日 08:00 ]

<2022スカパー!ドラマティック・サヨナラ賞 年間大賞 表彰式>トークセッションに臨んだ(左から)ヤクルト・丸山和、オリックス・宗、ゲストの井端氏(撮影・郡司 修)
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 どこもかしこもサッカーW杯一色に染まった1カ月だった。惜しくも目標のベスト8には届かなかったが、優勝経験国のドイツ、スペインを撃破した戦いぶりに普段サッカーを見ない人の脳裏にも「堂安」や「三笘」らの名が刻まれただろう。まさに4年に1度の祭典。早くも26年の北中米大会が待ち遠しい。

 野球界でも来年3月に第5回WBCが控えている。すでに大谷翔平(エンゼルス)、ダルビッシュ有(パドレス)、鈴木誠也(カブス)と3人のメジャーリーガーが参加を表明。国内組も史上最年少3冠王の村上宗隆(ヤクルト)の出場を栗山監督が明言。今季、完全試合を達成した佐々木朗希(ロッテ)の出場も有力視されており、「史上最強メンバー」との呼び声も高い。

 そんな中、13年の第3回大会で2次ラウンドの台湾戦(東京ドーム)で9回2死から値千金の同点打を放った井端弘和氏(現NTT東日本コーチ)が、当時の心境を明かした。14日に行われた「スカパー! ドラマティック・サヨナラ賞」の年間大賞表彰式にゲストとして登場。ヤクルトの丸山和から「あのときの精神状態はどうだったんですか?」と問われ「人生で一番、緊張していました。打席で足は震えるし…」と振り返った。だが鳥谷(当時阪神)がアウトなら試合終了となる極限の状況で二盗を決めた瞬間には「明るい世界が広がって冷静になれた。ピッチャーが投げるボールがスローに感じて“きた!”と思ったら自分のスイングもスローだった。ゾーンなのか分からないけどコマ送りのように覚えています」と証言。同点打を放って、一塁に到達した際には「もう寝たいと思いましたね」と笑いを誘った。

 その上で「(普段は球場)一周が(自分たちの)応援というのはない。打てなかったときはいつもの倍ぐらい(堪える)。切り替えのうまさは必要になってくる。やるかやられるか、“やられる前にやる”という気持ちで」とエールを送った。

 06年の第1回大会は王貞治監督(現ソフトバンク球団会長)、09年の第2回大会は原辰徳監督(現巨人監督)で世界一を連覇。直近の2大会はいずれもベスト4にとどまっており、井端氏は「米国、ドミニカもオールメジャー。日本もやっとオールジャパンが組める。今の日本の実力が試されるが、優勝を勝ち取ってほしい。(優勝)すると思っています」と断言した。日本列島が、侍ジャパン一色に染まるのが今から楽しみだ。(記者コラム・花里 雄太)

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2022年12月16日のニュース