阪神 二塁・佐藤輝、右翼・大山の攻撃型布陣 終盤戦ここ一番での奥の手に!井上ヘッド「考えられる」

[ 2022年8月27日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神2-5中日 ( 2022年8月26日    バンテリンD )

<中・神>7回1死一塁、溝脇のゴロをバックトスで二塁へ送球する佐藤輝(撮影・成瀬 徹) 
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 阪神の佐藤輝明内野手(23)が26日、中日戦でプロ2年目、245試合目の出場で初の二塁を守った。三塁で先発出場も7回からは二塁。矢野燿大監督(53)は、20年10月21日広島戦以来。プロ入り2度目となる右翼で先発起用した大山悠輔内野手(27)を含め、攻撃重視の手を打ったものの、打線は2点止まり。左腕先発の試合は10連敗。19年以来3年ぶりのシーズン60敗に到達し、夏の長期ロードは2試合を残して3年連続の負け越しが決定した。

 「二塁・佐藤輝」は、絶対に点を取るというメッセージにほかならなかった。3点を追う7回の守り。三塁で先発した4番が、二塁に回った。3月12日の中日戦(オープン戦)で先発したものの、公式戦では初。無死一塁で後藤の小飛球はぎこちなくキャッチ。続く溝脇のゴロは、1メートル87、94キロの巨体に似つかわしくない軽快さで二塁へバックハンドトスをした。しかし、送球がそれて併殺を逃した。

 「オープン戦で守ったことがある。何があるか分からないので、これからもしっかりと自分にできる準備をしていきたい」

 試合に敗れ、喜怒哀楽を表に出すことはなかった。二塁で先発した2番の糸原がベンチに退き、そこに投手が入ったことで初の二塁が実現。一方で8月好調の6番ロハス、6回に2点二塁打を放った7番陽川は残した。逆転へ向けてベンチが選択した攻撃型布陣だった。

 井上ヘッドコーチは「何とかしようという執念」と逆転をかけた作戦だったことを明かした。その後に続けて、「スタメンで二塁はないけど、ビハインドの展開で、点を取らないといけない場面に遭遇したら、ああいうことも考えられる」と、今後もシーズン終盤戦やクライマックス・シリーズで、起死回生の一手を打つ可能性を示した。

 球界を代表する左腕の大野雄に対し、矢野監督は先発オーダーでも大胆に仕かけた。大山を20年10月21日の広島戦以来となるプロ2度目の右翼で使った。

 「左で点が取れない。何か方法はないかなというところで。ずっと一緒でやっても変わってこないんで」

 残り試合を見据えていた指揮官は佐藤輝の二塁を含めて「頭の中にはずっとあった」という計画を実行した。しかし、陽川の用兵こそ当たったものの、11安打で2点止まり。9日のDeNA戦で今永にやられてから、左腕が先発した試合では10連敗になった。

 負のデータはこれで終わらない。中日には4連敗で、鬼門バンテリンドームの5年連続負け越しが決定。19年以来、3年ぶりのシーズン60敗に到達し、夏の長期ロードは9勝13敗となり、2試合を残して3年連続負け越しが決まった。「どこかでホームランでも出てくれるといいんだけど」。指揮官は5試合出ていない柵越えにもすがる思いを口にした。中日と3・5差になり、忍び寄る最下位の足音。打線の目覚め薬はどこにあるのか。(倉世古 洋平)

 《苦しむ夏の長期ロード》阪神は夏の長期ロードを2試合残して9勝13敗となり、期間中の負け越しが決定。矢野監督2年目の20年から3年連続の負け越しは、95年から03年にかけての9年連続以来19年ぶり。同一監督の指揮によるものでは、52年のフランチャイズ制導入以降、99~01年野村克也監督の3年連続負け越し以来21年ぶり2人目となった。チームは17年を最後に5年連続でロード勝ち越しを逃している。

 《5年連続バンテリンD負け越し》阪神は中日に4連敗。バンテリンドームでは2試合を残して3勝7敗となり、18年から5年連続の球場負け越しが決定。これは同球場が開場した97年から04年にかけての8年連続に次ぐ長さ。シーズン60敗到達は矢野監督1年目の19年以来3年ぶり。同年は69勝68敗6分けで勝ち越している。

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