【甲子園】愛工大名電 天国の友に捧ぐ大勝 観戦の父も感無量 6打点の美濃、形見のグラブで聖地に

[ 2022年8月7日 14:36 ]

第104回全国高校野球選手権 1回戦   愛工大名電14―2星稜 ( 2022年8月7日    甲子園 )

アルプススタンドから勝利を見届けた瀬戸君の父・洋介さん
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 愛工大名電が今春センバツ8強の星稜と対戦。14‐2で下し、2018年以来4年ぶりの初戦突破を果たした。14得点はチームとしては甲子園春夏通じて最多得点となった。

 初回から猛打を見せつけた。星稜先発のマーガードの立ち上がりを攻め立て、4番・山田が先制の2点適時打を放つなど4安打2四死球。バントなしで5点を奪った。2回も重盗に、山田の2打席連続適時打と止まらず5点追加。4回にも有馬、市橋、美濃の3連打で3点、6回には相手の悪送球を誘って1点と着実に得点し、リードを広げた。

 チームの心は固い絆で結ばれている。6月に3年生部員の瀬戸勝登(しょうと)さんが急性心不全で帰らぬ人となった。直前まで一緒に練習し、チームに欠かせないムードメーカーだった。両親の「選手を動揺させたくない」の意向で、葬儀を済ませた後に選手には伝えられた。3年生は帽子に「勝登と共に」と書き込み、愛知大会では瀬戸さんの背番号13のユニホームをベンチに掲げて戦った。決勝で東邦を下して甲子園出場を決めると、遺影も一緒に歓喜の輪に加わった。

 この日は瀬戸さんの父・洋介さんが甲子園で観戦。「選手に感謝してます。ここに来れたことも感謝ですけど、1勝できたことにも感謝しています。あれだけの点差の試合でも集中力が切れないような姿が見えたんで、たただだ自分たちの試合をしてくれているんだなというのを感じました」とナインを称えた。

 この日4安打6打点と大活躍した美濃は、勝登さんのグラブとともに聖地に立った。洋介さんは「ヒットもそうですし、きょうライトの守備の機会も多かったんで、やっぱりうれしいですね。それは」と感無量の面持ちだった。

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