菊池雄星 ブルージェイズと合意 3年契約、総額約42億円 ゲレロ中心の強力打線、世界一の呼び声も

[ 2022年3月14日 02:30 ]

ブルージェイズと合意した菊池(AP)
Photo By AP

 マリナーズからFAとなった菊池雄星投手(30)が12日(日本時間13日)、ブルージェイズと3年総額3600万ドル(約42億1200万円)で合意した。近日中に正式発表される。昨季、エンゼルスの大谷翔平投手(27)とし烈な本塁打王争いを繰り広げたウラジーミル・ゲレロ内野手(22)を筆頭に、打線は強力。このオフは菊池ら先発投手の補強にも成功し、ワールドシリーズ優勝候補に推す声もある。

 菊池の新天地はカナダ・トロントに本拠を置くブルージェイズに決まった。3年在籍したマリナーズとは、年俸1300万ドル(約15億2100万円)の単年契約で残留できるオプションを持っていたが、昨年11月にこれを破棄。3年総額3600万ドルという大型契約を、優勝が狙える強豪チームと結んだ。

 大谷と激しく争い、48発で競り勝った昨季本塁打王ゲレロを筆頭に、強力打線を誇る。32本塁打、116打点のヘルナンデスに続き、ビシェット、グリチェク、スプリンガー、元DeNAのグリエル(弟)と20本塁打以上が6人もそろう。昨季はあと1勝及ばず、ア・リーグ東地区4位でプレーオフ進出を逃したが、今年のワールドシリーズ優勝候補に推す声は少なくない。

 先発投手陣は昨季14勝のマッツ、同13勝のレイがFAで退団したが、同14勝のガウスマン(ジャイアンツからFA)を5年総額1億1000万ドル(約129億円)で獲得。昨季中にツインズから獲得したベリオスとは、7年総額1億3100万ドル(約153億円)で契約延長した。それぞれ100億円超の巨額投資した両腕に加えて、同14勝の左腕エース・柳賢振、新人ながら同9勝を挙げたマノアと強力なローテーションを形成。最後に必要だった先発左腕というピースに菊池がピタリとはまった。

 今オフのFA市場で、95マイル(約153キロ)以上の球速を誇る先発左腕は、前日にジャイアンツ入りが決まったロドンと菊池の2人だけだった。昨季前半戦は好調でオールスター戦にも出場。後半戦は調子を崩したが、ブ軍は肩や肘の大きな故障がない点なども評価。ロックアウト前の昨年11月から積極的に声を掛け口説き落とした。

 本拠地ロジャーズ・センターは特別なマウンドの一つだ。唯一の登板だった19年8月18日、わずか96球でメジャー初完封勝利を挙げた。かねて「移籍するなら投げやすいイメージのある球場がいい。優勝争いがしたい」と話してきた。大谷最大のライバル・ゲレロら、若く才能豊かなタレントたちと、世界一を目指す環境は整った。

 ▽ブルージェイズ 1977年に創設され、大リーグで現在唯一、米国以外に本拠地を持つ。本拠はカナダ・オンタリオ州トロントにあるロジャーズ・センター。ワールドシリーズ制覇は2度(92、93年)。日本選手は過去にマイケル中村、大家友和、五十嵐亮太、川崎宗則、青木宣親、山口俊らが在籍した。

 ≪センバツ出場の花巻東へ硬式球や枕など差し入れ≫センバツに出場する母校・花巻東を菊池が後押しした。東北勢初の全国制覇を狙うチームに、25人分の枕とマット、30ダース(360球)の硬式球を差し入れした。1月に「第12回日本スポーツ学会大賞」を恩師の花巻東・佐々木洋監督、エンゼルス・大谷とともに受賞した際には、ビデオメッセージで「甲子園で優勝したいという思いで花巻東を選びました」と母校への思いを語っていた。

 ≪エンゼルス・大谷との対戦は減少≫ア・リーグ東地区に移ることで、花巻東の3学年後輩にあたるエンゼルス・大谷との対戦機会は減ることになる。昨季までは同地区のため年間19試合が組まれ、3年間通算で12打数4安打の打率.333、2本塁打、2打点と大谷に分があった。今季のブ軍とエ軍の対戦は、5月26~29日(日本時間27~30日)にアナハイムで4連戦、8月26~28日(同27~29日)にトロントで3連戦の計7試合組まれている。

続きを表示

2022年3月14日のニュース