資さんうどんからパワーもらった　来秋ドラフト候補右腕　東京ガス・益田武尚の1年

東京ガス・益田武尚投手
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　収穫と課題の詰まった社会人1年目だった。東京ガスの益田武尚投手（23）は「最初はついていくだけで大変。都市対抗の予選が終わったくらいで、落ち着いて投げられるようになったし、やっと社会人のバッターと勝負できるようになった」と振り返る。

　北九州市大でリーグ通算12勝を挙げ、スカウト陣からも注目される投手になった。ドラフトでは指名されずに、一度は野球を辞めようと思った。そんなとき、東京ガスの山口太輔監督が声をかけてくれた。

　初めての東京での生活。「福岡とは全然違いましたね。人も多いですし…。福岡のうどんもないし」と、慣れるまでに時間がかかった。北九州の人気チェーン店「資（すけ）さんうどん」が恋しくなり「通販で注文しました。本当においしかった」と、懐かしい味に元気をもらった。

　人生初の全国大会となった都市対抗。1回戦のミキハウス戦で先発マウンドを託された。「前日までは緊張しなかったですけど、いざマウンドに上がったらやばかった。あんなに大勢の前で投げることがなかったので。投げる前には足がブルブル震えていました」と明かした。初球は151キロ直球で見逃しストライクを奪った。2球目で中飛に打ち取り「そこからは落ち着いて投げられた」。結果は5回2安打2失点で初勝利。自己最速を1キロ更新する153キロをマークした。

　ENEOSとの準々決勝でも先発したが、左脇腹を痛めて、わずか1球で降板。チームは逆転勝ちし、勢いのまま初優勝を飾った。「あの緊張感の中で2試合、先発させてもらった。チームに迷惑をかけてしまったので、来年こそは、自分が助けられるように頑張りたい」。都市対抗ではスカウト陣も成長をチェックした。来秋のドラフト候補に挙がっているが「まずは会社のために頑張りたい。まだまだ成長できる」とレベルアップだけを見据えている。
　慣れない環境の中、さまざまな経験を積んだ1年。来年はどんな投球が見られるだろうか。（記者コラム・川島　毅洋）

　◇益田　武尚（ますだ・たけひさ）1998年（平10）10月6日生まれ、福岡県出身の23歳。小4で野球を始める。嘉穂時代には甲子園出場はなかったが、最速145キロを投げて注目される。北九州市大ではリーグ通算33試合で12勝9敗、防御率2・55。1メートル75、86キロ。右投げ右打ち。