広島ドラ1黒原 息の長い活躍誓う 背番号「24」のレジェンド・大野氏を目標に

[ 2021年12月11日 05:30 ]

<広島>ポーズをとるドラフト1位の黒原 (撮影・奥 調)
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 広島は10日、広島市内のホテルで育成を含む新入団選手11人を発表した。背番号も明らかになり、ドラフト1位の黒原拓未投手(22=関学大)は、過去に大野豊氏(スポニチ本紙評論家)らが背負った「24」に決定。43歳まで現役を続けた同氏のように息の長い現役生活を目標に掲げ、100勝100セーブに負けず劣らずの活躍を誓った。

 24番のユニホームは重かった。黒原が背負うのは、80~98年に大野豊氏が担った偉大な背番号。それは同じ左腕として同氏のような活躍を願う球団からの期待の表れである。写真撮影のために真新しいユニホームに袖を通し、「大野さんというすごい選手がつけられていた番号。その名を汚さないように、しっかりと頑張ります」と背筋を伸ばした。

 大野氏は、148勝138セーブを挙げた球団のレジェンド。43歳まで22年間現役を続けた鉄腕でもあった。黒原は関学大で先発、救援ともにこなしてきた器用さを持っており、故障しない体の強さも兼ね備えるなど同氏との共通項も多い。

 「(大野氏は)何よりも長年にわたって活躍された方。息長くプロで活躍するのは、すごく大変なことだと思う。僕も長く球団に残れるような選手を目標にして頑張ります」

 背負うのは背番号の重圧だけではない。直近2年のドラフト1位である森下、栗林は、ともにチームの中心選手として活躍。黒原への期待も自然と膨らむ中で、当の本人には焦りが見当たらない。

 「シーズンが終わったときに新人王を狙えるところにいられたらいいけど、意識しすぎて重圧になっても自分がしんどくなるだけ。気にしすぎずに自分らしく持ち味を発揮できればいいと思います」

 すでに春季キャンプの1軍スタートは内定しており、先発か救援かは投球を見てから首脳陣が判断する方針。佐々岡監督からは「この中から新人王を獲れるような選手が出てくることを期待している」と激励された。

 「黙々と自分に厳しく練習できることが持ち味だと思う。全力でやり切ることが僕のモットー。これから、とにかくひたむきに練習して自分と向き合って、いずれは(大野氏に)追いつき追い越せるような選手になりたいです」。のしかかる重圧は圧倒的な練習量で振り払う。(河合 洋介)

 《広島新入団選手のコメント》

 ▼ドラフト4位田村俊介外野手(18=愛工大名電)(ヤクルト)村上選手の記録を超える最年少での100本塁打が目標です。二刀流ができるように、投手も野手も準備したいと思います。

 ▼同5位松本竜也投手(22=Honda鈴鹿)栗林さんの前(の8回)を投げられたら面白いかなと思います。試合数にこだわって、最低でも50試合は投げたいです。

 ▼同6位末包昇大外野手(25=大阪ガス)鈴木誠也選手を目標に頑張ります。(長打力を)チームから求められていると思うので、貪欲に4番を狙いたいと思います。

 ▼同7位高木翔斗捕手(18=県岐阜商)夢だったプロ野球選手になれて不思議な感覚です。会沢さんが最初につけていた背番号64なので、会沢さんを追い越せるような選手になりたいです。

 ◇大野 豊(おおの・ゆたか)1955年(昭30)8月30日生まれ、島根県出身の66歳。出雲商で快速左腕として注目されたが、軟式野球の出雲信用組合に就職。76年ドラフト外でテスト生として広島に入団。先発とリリーフで活躍し88、97年に最優秀防御率。91年に最優秀救援投手を獲得。88年には沢村賞を受賞。プロ22年間で通算707試合、148勝100敗138セーブ、防御率2.90。98年の現役引退後は広島、北京五輪日本代表の投手コーチを務めた。13年野球殿堂入り。左投げ左打ち。

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