日本ハム・姫野 キャンプ実戦初球「自己最速出す」投手転向のMAX156キロ腕、支配下再登録目指し

[ 2021年12月11日 05:30 ]

投手に転向した姫野
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 日本ハムの姫野優也投手(24)が10日、来季のブレークに向けてビッグな誓いを立てた。自主トレ中の千葉・鎌ケ谷の球団施設で、来春の初実戦で自己最速の156キロを更新すると宣言した。15年に外野手として入団したが昨オフに育成契約となり、今年6月に投手転向。高校中退から甲子園出場を果たした男が、新庄ビッグボスに猛アピールし、今度は支配下登録と開幕1軍をつかみ取る。

 狙うのは支配下登録だけじゃない。開幕1軍。姫野は本気だ。来年2月の春季キャンプに向け「新庄監督にはブルペンではなく実戦でアピールしたい。1球目からドカンと。一発目から自己最速を出す」と言い切った。

 今年6月に投手転向。9月7日のイースタン・リーグ巨人戦に初登板すると球速155キロを記録した。今季は2軍で6試合に登板して6回1失点。球団のスピードガンでは最速156キロも出た。

 姫野は「もっと出る。体が使い切れていない部分もある。1キロでも球速を上げたい」と意気込んだ。成り上がりは真骨頂。強豪の天理を中退し、アルバイト生活を経て編入した大阪偕星では、通算26本塁打の投手兼任の強打者として甲子園出場を成し遂げた。

 プロ入り後は両打ちにも取り組んだが昨オフに育成契約。投手転向はただの思いつきではない。外野手時代に「スローイングを徹底してやった」という結果、高校時代は140キロ程度だった球速は約15キロアップ。加えて先輩である金子、加藤、上原らから伝授されたフォークが新たな武器になりつつある。

 逆の成功例は多いが野手→投手の転向は嘉勢敏弘(オリックス)ら数例しかない。新庄監督も阪神での現役時代、当時の野村克也監督の勧めで投手に挑戦。99年のオープン戦に登板したが、左膝痛を理由に断念した。

 その新庄監督からはインスタグラムを通して「初登板のときから見てたよ」とメッセージをもらった。今季チームは防御率3・32でリーグ3位。姫野が加われば層が厚くなる。

 今オフは元同僚の巨人・中田や秋広らと沖縄・石垣島で合同自主トレを予定している。「筋力アップして仕上げていきたい」。姫野の成り上がり第2章が始まる。(君島 圭介)

 ◇姫野 優也(ひめの・ゆうや)1997年(平9)4月2日生まれ、大阪府出身の24歳。天理を中退し、編入した大阪偕星で3年夏の甲子園に出場。15年ドラフト8位で日本ハムに入団。18年10月3日の西武戦でプロ初出場も、20年オフに戦力外通告を受け、育成選手として再契約した。今年6月に登録を投手に変更。1メートル84、83キロ。右投げ右打ち。

 ▽野手から投手への転向例 遠山奨志は阪神、ロッテで投手としてプレーし10年目の95年に打者転向。96年にイースタン・リーグで最多安打も記録したが阪神復帰の98年から投手に再転向し、左のワンポイントで活躍した。オリックスでは00年に元ドラフト1位投手の嘉勢敏弘が外野手から投手に復帰、萩原淳、今村文昭は内野手から投手に転向した。嘉勢は01年に70試合で2勝。萩原は野手でわずか7試合に終わり9年目での挑戦だったが02年に48試合で3勝10セーブを挙げるなど通算270試合に登板し開花した。

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